ことわざ 慣用句

馬には乗ってみよ人には添うてみよ

(うまにはのってみよひとにはそうてみよ)

何事も実際に自分で経験し、深く関わってみなければ本質は分からないという教訓。


18文字の言葉」から始まる言葉
馬には乗ってみよ人には添うてみよ ことば
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意味

「馬には乗ってみよ人には添うてみよ」とは、何事も実際に経験してみないと本当の良し悪しは分からないという意味です。

馬の性質は実際に乗ってみて初めて分かり、人の性格も親しく付き合ってみて初めて深く理解できる、という教えを説いています。
単なる知識や人づてに聞いた話だけで判断せず、自ら行動して真実を確かめるべきだという、実証主義的な知恵が込められています。

語源・由来

「馬には乗ってみよ人には添うてみよ」の由来は、江戸時代の庶民の知恵が結晶化したものと考えられています。

「添う」とは「連れ添う」や「親しく付き合う」という意味です。
かつて馬は、人々の生活に欠かせない移動手段であり、労働力でした。
しかし、馬には一頭一頭に強い個性があり、外見が立派でも気性が荒かったり、逆に不格好でも非常に賢かったりしました。
同じように、人間も第一印象と中身が大きく異なることがあります。

この言葉は、経験に基づいた確かな判断を尊ぶ日本人の気質を反映しています。

使い方・例文

「馬には乗ってみよ人には添うてみよ」は、新しい環境に飛び込むときや、人との関係性に迷っている人の背中を押す際に用いられます。

ビジネス一辺倒ではなく、近所付き合いや趣味の場など、幅広い日常シーンで使われます。

例文

  • 怖そうな先生だったが、話すと優しかった。馬には乗ってみよ人には添うてみよだ。
  • 面倒そうな係を引き受けたら、馬には乗ってみよ人には添うてみよで意外に合っていた。
  • 「評判は悪いが馬には乗ってみよ人には添うてみよだ。自分の舌で確かめよう」
  • 馬には乗ってみよ人には添うてみよと言うし、まずインターンで行ってみたら」

類義語・関連語

「馬には乗ってみよ人には添うてみよ」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 論より証拠(ろんよりしょうこ):
    あれこれと議論を重ねるよりも、具体的な証拠を示すほうが物事をはっきりさせるという意味。
  • 百聞は一見に如かず(ひゃくぶんはいっけんにしかず):
    人から何度も聞くより、一度自分の目で見るほうが確実であるということ。
  • 人は見かけによらぬもの(ひとをみかけによらぬもの):
    人の性格や能力は、外見からは判断できないということ。
  • 物は試し(ものはためし):
    何事も、まずは実際にやってみることが大切だという意味。

対義語

「馬には乗ってみよ人には添うてみよ」とは対照的な意味を持つ言葉は以下の通りです。

  • 早合点(はやがてん):
    よく確かめないうちに、勝手に分かったつもりになること。
  • 石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる):
    非常に慎重なことの例えですが、経験よりもリスク回避を最優先する姿勢は、このことわざと対照的です。

英語表現

「馬には乗ってみよ人には添うてみよ」を英語で表現する場合、物事の本質を「実体験」で見極める重要性を説く、次のような定型句がよく使われます。

The proof of the pudding is in the eating

「物事の真価は、実際に試してみるまで分からない」という意味を表す表現で、料理の味は食べてみて初めて分かるという比喩から生まれた最も有名な対応表現。「論より証拠」に近いニュアンスでも使われる。

The project looks difficult, but the proof of the pudding is in the eating.
(そのプロジェクトは難しそうに見えるが、実際にやってみなければ真価は分からない。)

You can’t judge a book by its cover

「外見だけで中身を判断してはいけない」という意味を表す表現で、本の表紙が立派でも中身が面白いとは限らないという比喩。特に「人には添うてみよ(人と付き合ってみよ)」という側面に近い教訓を含む。

He seems unfriendly, but you can’t judge a book by its cover.
(彼はぶっきらぼうに見えるが、外見だけで判断してはいけない。)

Experience is the mother of wisdom

「経験は知恵の母である」という意味の格言で、何事も実際に経験すること(実体験)が最も確かな知識や知恵に繋がるということを表す。

Don’t just read about it; remember that experience is the mother of wisdom.
(本で読むだけでなく、経験こそが知恵の母であることを忘れてはいけない。)

出典とされるのは、太郎冠者が主役の狂言「縄綯」

「馬には乗ってみよ人には添うてみよ」の出典の一つとされるのが、狂言「縄綯(なわない)」です。太郎冠者を主人公とする小名狂言の一曲で、実際に経験してみなければ本当のことは分からない、という教えが語られています。

似た教えを表す言葉に「聞いて極楽見て地獄」がありますが、こちらは確かめた結果の落差を言う言葉です。前者が確かめる前の心得、後者が確かめたあとの感想にあたり、同じ「確かめる」をはさんで対になっています。

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