もくじ
努力や忍耐を表す言葉
- 牛の歩み(うしのあゆみ):
牛が一歩ずつ足を運ぶ動きにたとえた言葉で、進み方は遅くても休まず前進し続ける粘り強さを表す。「牛の歩みも千里」とも言う。 - 商いは牛の涎(あきないはうしのよだれ):
江戸時代の浮世草子『日本新永代蔵』が初出とされ、牛のよだれが細く長く途切れず垂れる様に例え、商売は焦らず気長に続けよという教え。 - 牛も千里、馬も千里(うしもせんり、うまもせんり):
歩みの遅い牛も速い馬も、千里の道をたどれば最後は同じ場所に着くことから生まれた例えで、速さや巧拙より行き着く先は同じだと説く。
失敗や意外性を表す言葉
- 角を矯めて牛を殺す(つのをためてうしをころす):
江戸前期の俳諧論書『毛吹草』(1638年)を初出とする日本独自の表現。曲がった角を無理にまっすぐ直そうとして牛そのものを死なせることから、行き過ぎた矯正の弊害を戒める。 - 牛に引かれて善光寺参り(うしにひかれてぜんこうじまいり):
善光寺に伝わる伝説が由来で、布を角に引っかけた牛を追ううちに老婆が善光寺に参り信心を得た逸話から、思わぬ縁で良い方向へ導かれる様を言う。ことわざとしての古い用例は俳諧『世話尽』(1656年)にある。 - 牛に経文(うしにきょうもん):
有り難い経文を牛に聞かせても意味が分からず全く響かないことから、道理を分からない相手にいくら説いても無駄であるという例え。 - 暗がりから牛(くらがりからうし):
井原西鶴『西鶴置土産』に見える言い回しで、暗闇で黒い牛を引き出しても輪郭が分からない様から、物事の区別がつかない鈍い様子を言う。
組織やリーダーシップを表す言葉
- 牛耳る(ぎゅうじる):
中国春秋時代、諸侯が同盟の際に盟主が牛の耳を裂き血をすすり合った故事に由来し、団体の主導権を握り思うままに動かす様を表す。 - 鶏口となるも牛後となるなかれ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ):
『史記』蘇秦列伝の言葉で、大国秦に降るより小国の長であれと諸侯を説いた故事から、大組織の末端より小さな組織の頂点であれという教え。 - 九牛の一毛(きゅうぎゅうのいちもう):
司馬遷が刑罰を受けた際、我が命を失うのも「九牛の一毛」に過ぎぬと友への手紙に記した故事が由来で、多数の中のごくわずかな部分を指す。
牛にまつわる四字熟語
- 汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう):
唐代の文人柳宗元の文章が出典で、書物を運べば牛が汗をかき、積めば棟木に届くという表現から、蔵書の膨大さをたとえる四字熟語。 - 対牛弾琴(たいぎゅうだんきん):
公明儀が牛の前で琴を弾いても牛は草を食み続けたという故事に由来し、道理の分からない相手にいくら説いても無駄であるという例え。 - 牛飲馬食(ぎゅういんばしょく):
牛が水をがぶ飲みし馬が飼葉をむさぼる様を並べた中国由来の四字熟語で、宴席などで際限なく大量に飲み食いする豪快な様子を表す。 - 蝸牛角上(かぎゅうかくじょう):
『荘子』にある寓話が由来で、蝸牛の角の上にある小国同士が争う様にたとえ、広大な世界から見れば人間の争いなど些細だと説く。
英語圏における牛の表現
- Take the bull by the horns:
難しい問題から逃げずに、正面から恐れず立ち向かえという教訓。 - Like a bull in a china shop:
繊細な場所で粗雑な振る舞いをして、場を台無しにしてしまう人のこと。 - Cash cow:
手間をかけなくても、継続的に利益を生み出してくれる商品や事業のこと。
闘牛の「赤い布」に興奮しているのは牛ではなく人間?

闘牛士が振る赤い布に向かって猛牛が突進する姿は有名ですが、実は牛は色を識別できず、視界は白黒のモノクロに映っています。
牛が激しく興奮しているのは、布の色ではなく「ヒラヒラと挑発的に動く物体」に対してです。
あえて赤い布を使うのは、牛を怒らせるためではなく、人間の観客を視覚的に熱狂させるための巧妙な演出に過ぎません。
過去・未来の丑年年表
| 西暦 | 和暦 | 干支(十干十二支) |
|---|---|---|
| 1949年 | 昭和24年 | 己丑(つちのとのうし) |
| 1961年 | 昭和36年 | 辛丑(かのとのうし) |
| 1973年 | 昭和48年 | 癸丑(みずのとのうし) |
| 1985年 | 昭和60年 | 乙丑(きのとのうし) |
| 1997年 | 平成9年 | 丁丑(ひのとのうし) |
| 2009年 | 平成21年 | 己丑(つちのとのうし) |
| 2021年 | 令和3年 | 辛丑(かのとのうし) |
| 2033年 | 令和15年(予定) | 癸丑(みずのとのうし) |
| 2045年 | 令和27年(予定) | 乙丑(きのとのうし) |
| 2057年 | 令和39年(予定) | 丁丑(ひのとのうし) |
| 2069年 | 令和51年(予定) | 己丑(つちのとのうし) |
| 2081年 | 令和63年(予定) | 辛丑(かのとのうし) |
「丑」の字は本来「牛」を表していない
「丑」という漢字は、もともと「絡み合う・結ばれる」といった意味を持つ字で、動物の牛を直接表す字ではなかったとされます。
十二支に動物を当てたのは後の時代のことで、文字が読めない人にも覚えやすくするための工夫だったと考えられています。
【特集記事】
十二支(干支)のことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語
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