人間に最も近い動物であり、古来より山の神の使いとしても親しまれてきた「猿」。
その高い知能や器用さは時に賢さとして称賛されますが、ことわざの世界では、過信による失敗や浅はかさを戒める象徴として描かれることが少なくありません。
「猿(申)」にまつわる多彩な表現を一覧にまとめました。
もくじ
失敗や未熟さを戒める言葉
- 猿も木から落ちる(さるもきからおちる):
木登りの上手な猿でも、時には誤って木から落ちることから。
その道にすぐれた人でも、時には失敗することがあるというたとえ。 - 朝三暮四(ちょうさんぼし):
『荘子』にある、餌の実を朝三つ夕方四つと言うと猿が怒り、朝四つ夕方三つと言い直すと喜んだという寓話が由来。
目先の違いに惑わされる愚かさを突く。 - 猿知恵(さるぢえ):
一見気が利くようでいて、実際は底の浅い思いつきを指す。 - 猿猴月を取る(えんこうつきをとる):
仏典『摩訶僧祇律』にある、井戸に映った月を取ろうとした猿の群れが互いの尾をつかんで枝から連なり、枝が折れてみな水に落ちて溺れ死んだという話に由来。
欲に駆られて身のほどを忘れ、身を滅ぼすことを戒める。
関係や外見を表す言葉
- 犬猿の仲(けんえんのなか):
犬と猿のように、顔を合わせれば争う険悪な間柄を表す。 - 猿真似(さるまね):
人の動作を意味も分からずまねる猿の姿になぞらえた言葉。
本質を理解しないまま、他人の言動や作品の表面だけをなぞる行為を軽んじる。 - 猿に烏帽子(さるにえぼし):
猿に烏帽子をかぶせる意から。
人柄にふさわしくない服装や言動のたとえで、外見と中身が一致しない状態を指す。 - 沐猴にして冠す(もっこうにしてかんす):
『史記』で、関中を去って故郷の楚へ帰りたがった項羽を、ある者が「楚の人は猿が冠をかぶったようなものだ」とあざけった言葉が由来。
見かけは立派でも中身が伴わない人物を皮肉る。
精神や教えを表す言葉
- 見ざる言わざる聞かざる(みざるいわざるきかざる):
両手で目・口・耳をそれぞれふさいだ三匹の猿(三猿)の姿で表され、日光東照宮の三猿の彫刻がよく知られる。
他人の欠点を暴き立てない処世術を表す。 - 意馬心猿(いばしんえん):
暴れ馬と騒ぎ立てる猿の様子にたとえた仏教由来の言葉。
次々に湧き起こる煩悩や欲望を抑えられず、心が乱れている状態のたとえ。
英語圏における猿の表現
Monkey business
意味: 不正な取引やインチキ、または子供のふざけたいたずら。
There is some monkey business going on in this company.
(この会社では、何か不正な取引が行われているようです。)
日光東照宮の三猿は神馬の厩の壁に彫られている


日光東照宮の「三猿」は、神馬をつなぐ厩の壁に彫られています。
猿は古くから馬の病を防ぐ守り神とされ、「厩猿」という民間信仰がありました。
三猿の図柄自体は「見ざる・言わざる・聞かざる」という処世の教えを表したものですが、厩に彫られた背景には、この信仰が深く関わっています。
申年は何年?西暦と和暦の早見表
| 年 | 干支(十干十二支) |
|---|---|
| 1944年(昭和19年) | 甲申(きのえさる) |
| 1956年(昭和31年) | 丙申(ひのえさる) |
| 1968年(昭和43年) | 戊申(つちのえさる) |
| 1980年(昭和55年) | 庚申(かのえさる) |
| 1992年(平成4年) | 壬申(みずのえさる) |
| 2004年(平成16年) | 甲申(きのえさる) |
| 2016年(平成28年) | 丙申(ひのえさる) |
| 2028年(令和10年) | 戊申(つちのえさる) |
| 2040年(令和22年) | 庚申(かのえさる) |
| 2052年(令和34年) | 壬申(みずのえさる) |
| 2064年(令和46年) | 甲申(きのえさる) |
| 2076年(令和58年) | 丙申(ひのえさる) |
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