【特集】龍・河童・天狗など架空生物に関係する有名なことわざ一覧

架空生物(龍・河童など)に関係する有名なことわざ・慣用句一覧 【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語

龍や河童、麒麟、鳳凰といった架空・伝説上の生物は、古くから物語や芸術の中で描かれ、人々の想像力をかき立ててきました。その神秘的な力や特異な性質は、多くのことわざ、慣用句、故事成語、四字熟語となり、今も私たちの言葉の中に息づいています。

ここでは、そんな架空・伝説上の生物にまつわる有名な言葉を、生物の種類別に分類し、意味とともにご紹介します。

龍(竜)のことば

龍(竜)とは?
東洋、特に中国の伝説に登場する神聖な生き物。
天候を操る力を持ち、皇帝や権力の象徴ともされます。
長く大きな体に角や髭を持ち、空を飛ぶ姿で描かれることが多いです。

河童のことば

河童とは?
日本の川や沼に住むとされる妖怪、または水神の一種。
頭に皿があり、水陸両生で、背中に甲羅を持つとされることも。
相撲が好きで、胡瓜を好物とすると言われています。

享和元年(1801年)に水戸藩東浜で捕獲されたとされる河童

「河童」に関することわざ

  • 河童の川流れ(かっぱのかわながれ):
    泳ぎの得意な河童でも川で流されることがあるように、その道の達人でも時には失敗することがあるたとえ。「猿も木から落ちる」。
  • 河童に水練(かっぱにすいれん):
    泳ぎの達者な河童に泳ぎを教えるように、その道の専門家によく知りもしない者が教えることの愚かさ。無駄なこと。「釈迦に説法」。

「河童」に関する慣用句

  • 陸に上がった河童(おかにあがったかっぱ):
    得意な場所や環境を離れて、全く力を発揮できず、元気がなくなることのたとえ。
  • 河童の屁(かっぱのへ):
    河童のする屁のように、たやすくできること、取るに足りないことのたとえ。

麒麟のことば

麒麟とは?
中国神話に現れる伝説上の霊獣。
獣類の長とされ、優れた王が仁政を行うと出現すると言われる瑞獣(めでたい獣)です。
穏やかな性質で、殺生を好まないとされています。

三才図会に描かれた麒麟

「麒麟」に関することわざ

  • 麒麟も老いては駑馬に劣る(きりんもおいてはどばにおとる):
    どんなに優れた人物でも、年老いて衰えれば、平凡な者にも及ばなくなることのたとえ。
    (麒麟は伝説の優れた馬、駑馬は足の遅い馬)

鳳凰のことば

鳳凰とは?
中国神話に登場する伝説の鳥。
鳥類の長とされ、麒麟と同じく聖王の治める平和な世に現れるとされる瑞鳥(めでたい鳥)です。
美しい姿で描かれます。

鹿苑寺金閣屋上の鳳凰像

「鳳凰」に関する故事成語

  • 鳴鳳在樹(めいほうざいじゅ):
    鳳凰が木に止まって鳴くように、賢人が時を得て世に現れ、活躍することのたとえ。

「鳳凰」に関する四字熟語

  • 鳳凰来儀(ほうおうらいぎ):
    聖天子の治める平和な世に、めでたい鳥である鳳凰が現れること。吉祥のしるし。

天狗のことば

天狗とは?
日本の山に住むとされる伝説上の存在。
多くは赤い顔に高い鼻、山伏のような服装で描かれ、神通力を持ち、時に人間に対して悪さや悪戯をするとも言われます。
高慢さの象徴とされることもあります。

天狗の絵(春日町兵主神社)

「天狗」に関する慣用句

  • 天狗になる(てんぐになる):
    自慢して得意になること。うぬぼれること。
  • (天狗の)鼻を折る((てんぐの)はなをおる):
    得意になっている人(天狗になっている人)の慢心や自尊心をくじくこと。恥をかかせること。

まとめ

龍や河童、麒麟といった架空・伝説上の生物たちは、その想像上の姿や能力を通して、人間の理想や戒め、物事の道理などを表現するのに用いられてきました。
これらの言葉に触れることで、昔の人々の想像力や、言葉に込められた深い意味を感じ取ることができますね。
物語の世界を彩るこれらの表現を、ぜひ知識として楽しんでみてください。

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