十二支の最初の動物であり、古来より「子孫繁栄」や「商売繁盛」の縁起物として親しまれてきた「ねずみ」。その一方で、家の食料を荒らす身近な害獣であったことから、人間の卑しさや立場の弱さを風刺する言葉も数多く残されています。
小さくても知恵と生命力にあふれる「ねずみ(子)」にまつわることわざや慣用句、四字熟語を一覧でまとめました。
もくじ
危機や生存本能を表す言葉
- 窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ):
中国の古典『塩鉄論』にある「窮鼠は狸を噛む」が原形とされ、絶体絶命の窮地に追い詰められれば、弱い者でも必死に反撃するという例え。 - 袋の鼠(ふくろのねずみ):
江戸時代の浄瑠璃『浦島年代記』が出典とされ、袋の中の食料を漁る鼠を袋ごと閉じ込めて捕らえた様子から、逃げ場のない絶体絶命の状態を指す。 - 沈む船から鼠が逃げる(しずむふねからねずみがにげる):
船底に住む鼠が浸水にいち早く気づき逃げ出す様子から生まれた英語由来の表現で、没落や災難を予感した者が真っ先に離れていく様を言う。 - 猫の首に鈴を付ける(ねこのくびにすずをつける):
古代ギリシャのイソップ寓話『ネズミの相談』に由来し、誰が猫に鈴を付けるかで話が止まった逸話から、実行に踏み切れない机上の空論とされる。
増殖や小ささを表す言葉
- 鼠算(ねずみざん):
江戸時代の和算書『塵劫記』に載る計算問題が由来で、ねずみが毎月7倍ずつ子を産み続けると1年で天文学的な数に達する様を示す例え。 - 大山鳴動して鼠一匹(たいざんめいどうしてねずみいっぴき):
古代ローマの詩人ホラティウスの言葉「山々が産気づいて滑稽な鼠が一匹生まれる」に由来し、大騒ぎの割に結果が拍子抜けなほど小さいことを表す。 - 鼠の嫁入り(ねずみのよめいり):
説話集『沙石集』に由来する昔話が元で、太陽や雲より偉い婿を探した末に結局は鼠を選ぶ結末から、高望みも身の丈に落ち着く様子を伝える。
人間や社会の悪事を表す言葉
- 頭の黒い鼠(あたまのくろいねずみ):
江戸時代の俳諧集『大坂独吟集』に見える表現で、髪の黒い人間を鼠に見立て、家の中で盗みを働く身内をそれとなく指す皮肉な言い回し。 - 鳴く猫は鼠を捕らぬ(なくねこはねずみをとらぬ):
よく鳴く猫ほど実際は鼠を捕らえないという観察から生まれた言葉で、口数の多い人ほど行動が伴わず実力不足であることを皮肉る。 - 家に鼠、国に盗人(いえにねずみ、くににぬすっと):
兼好法師の随筆『徒然草』にある「身に虱あり、家に鼠あり、国に賊あり」が原形で、どんな集団にも害をなす者が必ず潜むという嘆き。
ねずみにまつわる四字熟語
- 首鼠両端(しゅそりょうたん):
『史記』の故事に由来し、穴から顔だけ出して周囲を伺う鼠の習性になぞらえ、どちらつかずの態度で決断できずにいる優柔不断な様子を表す。 - 城狐社鼠(じょうこしゃそ):
中国の古典『晏子春秋』にある社鼠の逸話に由来し、祠に住み着く鼠は焼けば祠ごと壊すため駆除しにくいとして、権力者の悪人を例える。 - 抱頭鼠竄(ほうとうそざん):
『漢書』に見える故事成語で、元は討った相手の首を捧げ持ち逃げた様が「奉頭」から「抱頭」に転じ、鼠のように慌てて逃げ惑う姿をいう。
英語圏におけるねずみの表現
- I smell a rat:
裏切りや嘘、不正などの怪しい気配を直感した時に使う表現。 - Quiet as a mouse:
ねずみのように物音一つ立てず、ひっそりと静かにしている様子。 - Rat race:
回し車を走るねずみのように、終わりなき過酷な出世競争や生存競争のこと。
害獣のねずみが「金運の神様」の使いに選ばれた理由
穀物を食い荒らす害獣でありながら、ねずみは七福神「大黒天」の使いとして金運や五穀豊穣の象徴とされています。
これは大黒天と習合された日本の神、大国主命(おおくにぬしのみこと)の神話に由来します。
『古事記』において大国主命が野火に囲まれ窮地に陥った際、ねずみが地下の穴へ導き命を救いました。
この逸話により、ねずみは神を助ける存在として信仰されるようになったのです。
過去・未来の子年年表
| 西暦 | 和暦 | 干支(十干十二支) |
|---|---|---|
| 1948年 | 昭和23年 | 戊子(つちのえね) |
| 1960年 | 昭和35年 | 庚子(かのえね) |
| 1972年 | 昭和47年 | 壬子(みずのえね) |
| 1984年 | 昭和59年 | 甲子(きのえね) |
| 1996年 | 平成8年 | 丙子(ひのえね) |
| 2008年 | 平成20年 | 戊子(つちのえね) |
| 2020年 | 令和2年 | 庚子(かのえね) |
| 2032年 | 令和14年(予定) | 壬子(みずのえね) |
| 2044年 | 令和26年(予定) | 甲子(きのえね) |
| 2056年 | 令和38年(予定) | 丙子(ひのえね) |
| 2068年 | 令和50年(予定) | 戊子(つちのえね) |
| 2080年 | 令和62年(予定) | 庚子(かのえね) |
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