ついこの間のことだと思っていたのに、気づけばもう何年も前の話になっている。
そんな、気を抜いた隙にするりと過ぎ去ってしまう月日の早さを
「烏兎匆匆」(うとそうそう)と言います。
意味
「烏兎匆匆」とは、月日が経つのが非常に早いことの例えです。
- 烏兎(うと):太陽と月、転じて「歳月」や「月日」のこと。
- 匆匆(そうそう):急ぐ様子、慌ただしい様子。
語源・由来
「烏兎匆匆」の由来は、古代中国の伝説にあります。
古くから中国では、太陽には三本足の烏(からす)が住み、月には兎(うさぎ)が住んでいると信じられていました。
そこから「烏」は太陽、「兎」は月を象徴する言葉となり、「烏兎」で月日や歳月を表すようになりました。
その「烏兎」が慌ただしく(匆匆)過ぎ去っていく様子から、時間の流れの早さを嘆く四字熟語として定着しました。
使い方・例文
「烏兎匆匆」は、年月が矢のように過ぎ去っていくことへの感慨や、慌ただしさを表現する場面で使われます。
- 卒業からの十年間はまさに烏兎匆匆であった。
- 烏兎匆匆のうちに今年も暮れようとしている。
- 振り返れば烏兎匆匆な人生だった。
誤用・注意点
漢字の書き間違いに注意が必要です。「烏(からす)」を「鳥(とり)」としたり、「兎(うさぎ)」を「免(めん)」としたりする誤記が多く見られます。
また、「匆匆」を「早々」と書くのも誤りです。「早々」にも急ぐ意味はありますが、四字熟語としては「匆匆」または「怱怱」が正しい表記となります。
類義語・関連語
「烏兎匆匆」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 光陰矢の如し(こういんやのごとし):
月日が経つのは、放たれた矢のように早いということ。 - 烏飛兎走(うひとそう):
烏(太陽)が飛び、兎(月)が走るという意味から、月日が慌ただしく過ぎ去ること。 - 白駒過隙(はっくかげき):
白い馬が走り過ぎるのを、壁の隙間から一瞬見るようなものだということ。人生や歳月の短さの例え。
対義語
「烏兎匆匆」とは対照的な意味を持つ言葉は以下の通りです。
- 一日千秋(いちじつせんしゅう):
一日が千年に思えるほど、待ち焦がれる気持ちが強いこと。時間が長く感じられる例え。 - 度日如年(どじつじょねん):
一日を過ごすのが、一年のように長く苦痛に感じられること。
英語表現
「烏兎匆匆」を英語で表現する場合、以下の定型句が当てはまります。
Time flies.
意味:時が経つのは早い。
直訳すると「時間は飛ぶ」となり、あっという間に時間が過ぎることを表す最も一般的な表現です。
- 例文:
How time flies!
なんと烏兎匆匆なことか。
Time flies like an arrow.
意味:時は矢のように飛ぶ。
日本語の「光陰矢の如し」に相当する表現で、時間の経過の早さを強調します。
- 例文:
Time flies like an arrow when you are having fun.
楽しい時は烏兎匆匆のごとく過ぎ去る。
まとめ
「烏兎匆匆」は、空を駆ける太陽と月になぞらえて、足早に過ぎ去る時間を表した美しい四字熟語です。
日々の忙しさに追われていると、気づかないうちに時間はどこかへ消えてしまいます。
過ぎた時間を惜しむより、今この瞬間を丁寧に味わうこと。
この言葉はそんな当たり前でいて、忘れがちな大切さをそっと思い出させてくれます。









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