四字熟語

有名無実

(ゆうめいむじつ)

名ばかりで、実質や中身が伴わないこと。


7文字の言葉 / 「ゆ」から始まる言葉
有名無実 ことば
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意味

「有名無実(ゆうめいむじつ)」とは、名前や肩書きばかりで、それに見合う実質が伴っていないことを指します。
名前だけが存在し、中身が空っぽであるという批判的なニュアンスを含んだ言葉です。

  • 有名(ゆうめい):名前だけがあること。
  • 無実(むじつ):実質がないこと。

語源・由来

「有名無実」は、陸機りくきの「五等諸侯論」に登場します。
西晋の文人が封建制度を論じた文章で、『文選』に収められています。

漢の中ごろに皇族の諸侯の領地を削り取ったいきさつを述べる箇所に、次のようにあります。

逮至中葉,忌其失節,割削宗子,有名無實
(中ごろになると、諸侯が節度を失うのを恐れて皇族の領地を削り取ったので、諸侯は名ばかりで実質のないものになった)

使い方・例文

「有名無実」は、かつての機能が失われた制度や、名ばかりの役職、実行されない計画などを指摘する際に使われます。
制度や規則が働きを失って名前だけ残る状態になることを、「有名無実化」「有名無実化する」とも言います。

  • その制度は今や有名無実の状態だ。
  • 彼は部長だが、権限はなく有名無実の存在だ。
  • 立てた計画が有名無実にならないよう注意する。

誤用・注意点

「有名無実」の「無実」を、「身に覚えのない罪(冤罪)」の意味で捉えるのは誤りです。
あくまで「実質がない」という意味で使われます。

また、相手の肩書きに対して使うと「名前だけで実力がない」という強い侮辱になるため、特に目上の人への使用は避けるのが賢明です。

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類義語・関連語

「有名無実」と似た意味を持つ言葉には、見かけ倒しを意味する言葉が多く存在します。

  • 羊頭狗肉(ようとうくにく):
    看板は立派だが、中身は粗末なこと。
  • 張り子の虎(はりこのとら):
    外見だけ強そうで、中身が伴わない者のたとえ。
  • 形骸化(けいがいか):
    本来の意味が失われ、形だけが残ること。
  • 看板倒れ(かんばんだおれ):
    宣伝ばかりが立派で、中身が伴わないこと。

対義語

「有名無実」とは対照的な意味を持つ言葉は、名前と実態が一致していることを表します。

  • 名実一致(めいじついっち):
    評判と実際の内容が一致していること。
  • 名実共に(めいじつともに):
    名前も実力も、その評価にふさわしく備わっているさま。
  • 看板に偽りなし(かんばんにいつわりなし):
    宣伝や評判通りの内容であること。

英語表現

「有名無実」を英語で表現する場合、以下の表現が適切です。

in name only

直訳すると「名前の上だけで」となり、名ばかりの状態を表します。
「名目上の」

He is the leader in name only.
(彼は名ばかりのリーダーだ。)

nominal

「名目上の」「名前だけの」という意味を持つ形容詞です。

The king has only nominal power.
(その王は名目上の権力しか持っていない。)

国司を訴えた文書に出てくる「有名無実」

日本では、永延二年(988年)の文書にこの言葉が出てきます。

「尾張国郡司百姓等解げ」と呼ばれるもので、尾張の郡司と百姓が、国司の非法を三十一か条にわたって朝廷へ訴え出た文書です。
その中に、次の一節があります。

右の新古の物等、寔まことに税帳の面に録載すと雖も、有名無実なり
(右の新旧の品々は、税の帳簿には確かに記載されているが、名ばかりで実物はない)

帳簿の記載と実物の食い違いという具体的な不正を訴える言葉として、この語が使われています。

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