意味
「後ろ髪を引かれる(うしろがみをひかれる)」とは、未練があって、気持ちをなかなか断ち切れないという意味です。
語源・由来
この言葉の「後ろ髪」は、頭の後ろ側に生えている髪の毛のことです。
先へ進もうとする人が、その髪を後ろから引っ張られて足が止まる様子にたとえて、心残りで思い切れない気持ちを表します。
使い方・例文
- 熱を出した娘を祖母に預けて出張に行くのは、後ろ髪を引かれるものだった。
- 楽しかった旅行の最終日、後ろ髪を引かれながら宿をあとにした。
- 十年住んだ町を離れるのは、やはり後ろ髪を引かれる思いがする。
豊島与志雄『復讐』の冒頭
『復讐』(豊島与志雄)の冒頭は、夢から覚めたあとの気分を語るところから始まります。
人の出てくる夢を見たあとの名残惜しさを、この言葉で表しています(「引かるる」は「引かれる」の古い言い方です)。
夢の後味というものは、なにかはかなく、しんみりとして、淋しいことが多い。山川草木、禽獣、幽鬼、火や水、自分自身の飛行や墜落、そういう類のものは別として、人間の夢となれば、ちと、後ろ髪を引かるる思いまでする。
類義語・関連語
気持ちが後に残って、思い切れない点で共通する言葉です。
- 心残り(こころのこり):
あとに思いが残って、すっきりしないこと。 - 名残惜しい(なごりおしい):
別れがつらく、離れたくない気持ち。 - 未練(みれん):
あきらめきれず、思いを断ち切れないこと。 - 去り難い(さりがたい):
その場所や人から離れる気になれない様子。

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