意味
「鳴り物入り(なりものいり)」とは、楽器をにぎやかに鳴らして、場を盛り立てるという意味です。
もう一つ、物事を大げさに宣伝するという意味もあります。
語源・由来
この言葉の「鳴り物」は楽器のことです。
歌舞伎の下座音楽(= 舞台の効果や伴奏のための音楽)では、三味線と唄を除いた鉦・太鼓・鼓・笛などによる囃子を、特に「鳴り物」と呼びます。
「鳴り物入り」は、その鳴り物を入れてにぎやかにするという、語の組み立てどおりの言葉です。

使い方・例文
- 夏祭りの山車は、太鼓や笛の鳴り物入りで町内を練り歩いた。
- 応援団はトランペットを吹き鳴らし、鳴り物入りで選手を送り出した。
- 鳴り物入りで発売された新製品だが、売れ行きは今ひとつだ。
- 新しい監督は鳴り物入りで迎えられたが、結果が出るまで時間がかかった。
類義語
どちらも、大げさに宣伝するという2つ目の意味に近い言葉です。
- 喧伝(けんでん):
世の中に向けて、盛んに言い広めること。 - 吹聴(ふいちょう):
人に言いふらして回ること。
英語表現
much fanfare
世間からの大きな注目と関心。
The new smartphone was launched with much fanfare.
(その新しいスマートフォンは鳴り物入りで発売された。)
鳴り物を奏でるのは舞台脇の黒御簾
歌舞伎で鳴り物を含む下座音楽を演奏するのは、舞台の下手(= 客席から見て左側)の一角にある黒御簾という場所です。
黒く塗った板の囲いに窓を設け、そこに黒い簾を下げて、客席から演奏者が見えないようにしています。
江戸の劇場では、文政年間(1818〜1830年)ごろまでは反対側の上手にあり、その後に今の下手へ移りました。
鼓・太鼓・笛は、舞台に並んで演奏する出囃子を務めることもあります。
それ以外の鳴り物は、黒御簾の中で演奏する決まりです。

コメント