意味
「福禄寿(ふくろくじゅ)」とは、幸福・俸禄(= 官職に伴う給与)・長寿という三つの徳をそなえるという、七福神の一つです。
別名を「福禄人(ふくろくじん)」ともいいます。
背が低く頭が長く、長い髭をたくわえ、経巻を結んだ杖を持ち、鶴を連れた姿で描かれます。
同じ七福神の一つ「寿老人」と姿や由来が似ており、しばしば混同されます。
語源・由来
福禄寿は、もともと中国の道教に由来する神で、幸福・富貴・長寿という、道教で理想とされる三つの徳を象徴します。
中国・宋の嘉祐年間(1056年から1064年)に現れた道士天南星の化身とも、南極星(長寿をつかさどるとされた星)の化身ともいわれています。
日本には、禅宗の広まりとともに水墨画の題材として伝わりました。
七福神の一つに数えられるようになったのは室町時代以後のことで、独自の福神として一般に広く信仰されるまでには至らなかったとされています。
使い方・例文
福禄寿は、家庭や店先に置物として飾られるほか、七福神めぐりで参拝する神としても親しまれています。
- 正月には、床の間に福禄寿の置物を飾る家庭もある。
- 七福神めぐりでは、福禄寿を祀る神社にも立ち寄った。
類義語・関連語
七福神には、福禄寿のほかに恵比須・大黒天・毘沙門天・弁才天・布袋・寿老人が数えられます。
このうち、福禄寿とよく混同されるのが寿老人です。
- 寿老人(じゅろうじん):
福禄寿と同じく七福神の一つで、南極星の化身ともされる、長寿を象徴する神です。
福禄寿と同じ神の別名だとする説もあります。
「福禄寿」と「寿老人」の違い
福禄寿と寿老人は、どちらも南極星の化身とされる点や、長頭で杖を持つ姿など共通点が多い神です。
一方で、伴う生き物や、由来が伝えられる時代には違いがあります。
| 語句 | 伴う生き物 | 由来が伝えられる時代 |
|---|---|---|
| 福禄寿 (ふくろくじゅ) | 鶴 | 宋の嘉祐年間 (1056年-1064年) |
| 寿老人 (じゅろうじん) | 鹿 | 宋の元祐年間 (1086年-1093年) |
江戸時代には二神を同じ神とみなし、空いた一枠に吉祥天や猩々を加えた七福神もありました。
中国では、鶴と鹿と桃が「福・禄・寿」を表す
中国の道教で古くから強く望まれてきたのは、幸福と富貴と長寿という三つの徳でした。
この三徳を表すために、鶴と鹿と桃を組み合わせた三体一組の神像や、こうもりと鹿と松によって福・禄・寿を表した絵などが、広く用いられてきました。
そして、これらの表現とあわせて、長頭で杖をつき鶴を連れた「福禄寿」という神も考え出されました。
今日、日本で親しまれている福禄寿の姿も、こうした中国に伝わる福・禄・寿を表す絵や像の一つから生まれたものです。

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