意味
「忍の一字(にんのいちじ)」とは、耐え忍ぶことこそが、あらゆる物事をうまく運ぶ元になるという意味です。
「忍」の一字、つまり我慢することただ一つが大切だ、という言い方です。
語源・由来
「忍の一字」は、中国の北宋の時代(11〜12世紀)の文人、呂本中が書いた「官箴(= 役人の心得を説いた文章)」から出た言葉です。
役人として働くうえでの心得の一つとして、忍耐というただ一つのことから始めれば、さまざまな物事を見事にやり遂げられる、と述べています。
使い方・例文
- 理不尽な客にも頭を下げ、忍の一字で閉店までの時間を乗り切った。
- 新人のころは失敗続きだったが、忍の一字で三年間働き続けた。
- けがで試合に出られない間も、彼は忍の一字で地道な練習を重ねた。
類義語・関連語
耐えることの大切さを言う言葉には、次のものがあります。
- 石の上にも三年(いしのうえにもさんねん):
辛抱して続ければ、いつかは報われるという教え。
「忍の一字」と「石の上にも三年」の違い
どちらも耐えることを勧める言葉ですが、「石の上にも三年」は辛抱を続けた先の報いに、「忍の一字」は耐えることそのものが物事を運ぶ元だという点に重点があります。
| 語句 | 重点 |
|---|---|
| 忍の一字 (にんのいちじ) | 耐えることが万事の元 |
| 石の上にも三年 (いしのうえにもさんねん) | 辛抱を続ければ報われる |
英語表現
Patience is a virtue
忍耐は美徳であるという意味のことわざ。
I know you want the results now, but patience is a virtue.
(すぐに結果が欲しいのは分かるけれど、忍の一字だよ)
「忍の一字」はもとは「忍の一事」
呂本中の「官箴」の原文では、「一字」ではなく「一事」と書かれています。
該当する箇所には、次のようにあります。
忍之一事、衆妙之門。当官処事、尤是先務。
(忍耐というただ一つのことは、さまざまな物事をうまく行うための入り口である。役人として物事を処理するには、何よりも先に努めるべきことだ)
日本では「忍の一字」の形で広く使われるようになりました。

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