意味
「左見右見(とみこうみ)」とは、あっちを見たりこっちを見たりするという意味です。
また、あちこちの様子をうかがうという意味でも使います。
語源・由来
この言葉は、「と見」と「かう見(こう見)」を並べた語で、昔の仮名づかいでは「とみかうみ」と書きます。
「み」については、反対の二つの事柄を並べて言うときに付ける接尾語とする説があります。
使い方・例文
「左見右見する」の形で、動詞としても使います。
- 知らない駅で降りた弟は、出口を探して左見右見していた。
- 祖母は店先の品物を左見右見しながら、なかなか選べずにいた。
- 物音に驚いた猫が、塀の上で左見右見して身をかがめた。
小説での使用例
尾崎紅葉の『金色夜叉』(続金色夜叉 第四章)に、主人公の貫一が、友人の荒尾と、ある女性とが知り合いだと分かってあきれる場面があります。
「君はどうして此方を識つてゐるのだ」
左瞻右視して貫一は呆るるのみなり。
(「君はどうしてこの人を知っているのだ」
あっちを見たりこっちを見たりして、貫一はただあきれるばかりだった。)
「左見右見」の「左」「右」は、常用漢字表にない読み方
「左」の「と」、「右」の「こう」という読みは、常用漢字表の音訓にはありません。
『金色夜叉』では、尾崎紅葉は「左瞻右視」と書いて「とみかうみ」と読ませています。
「瞻」も「視」も、見るという意味の字です。

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