格物致知

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四字熟語 故事成語
格物致知
(かくぶつちち)

6文字の言葉か・が」から始まる言葉

料理のレシピをただなぞるのではなく、なぜこの工程が必要なのか、素材の性質はどう変化するのかを突き詰めて考える。
あるいは、趣味の道具を手入れしながら、その構造や歴史に深く思いを馳せる。
こうした、目の前にある物事の仕組みや本質をどこまでも掘り下げ、真の知識を得ようとする真摯な姿勢。
そのような、物事の道理を極めて知を磨くことを、
「格物致知」(かくぶつちち)と言います。

意味・教訓

「格物致知」とは、事物の本質や道理を深く研究し、知識を極限まで深めることを指す言葉です。
単に知識を詰め込むのではなく、一つひとつの事象と誠実に向き合い、その奥底にある「なぜ」を解明しようとする学びの姿勢をあらわしています。

この熟語は、その成り立ちから次のように理解できます。

  • 格物(かくぶつ):個々の事物を深く観察し、その道理に到達すること。
  • 致知(ちち):自分の知恵を最大限に働かせ、真理を体得すること。

物事の仕組みを正しく知ることで、初めて自分自身の知識が確かなものになるという、学問や成長の根本を説いた教訓です。

語源・由来

「格物致知」の語源は、中国の古典『大学』にあります。
この書物は、人が立派な人物として成長するための八つの段階(八条目)を示しており、その第一歩として挙げられているのがこの言葉です。

「知を致(いた)すは、物を格(いた)すに在(あ)り」という一節がもとになっています。
歴史的には、宋の時代の儒学者である朱熹(朱子)が、この言葉を「万物の理を一つひとつ窮めていくこと」と定義し、学問の究極の目的として位置づけました。

もともとは政治や修養の出発点として説かれたものですが、現代では専門分野を深く追求する研究者や、技術を磨く職人の精神を象徴する言葉として広く親しまれています。

使い方・例文

「格物致知」は、学問に限らず、仕事、家事、趣味など、あらゆる分野で「本質を突き詰める姿勢」を表現する際に用いられます。
単なる「勉強」や「作業」を超えた、より深い探究心を強調したい場面に最適です。

例文

  • 伝統料理の技術を、素材の性質から見直す「格物致知」の精神で学び直す。
  • 彼は古い時計を分解しては組み立て、格物致知の姿勢でその精緻な構造を理解しようとしている。
  • 「格物致知」という言葉を座右の銘とし、日々の業務の細部にある改善点を見逃さない。
  • 科学実験において大切なのは、失敗を恐れず格物致知を追求する粘り強さだ。

類義語・関連語

「格物致知」と似た意味を持つ言葉には、物事の道理をどこまでも追求する姿勢を示す言葉があります。

  • 窮理究明(きゅうりきゅうめい):
    物事の道理をどこまでも突き詰めて、はっきりと明らかにすること。
  • 博学審問(はくがくしんもん):
    広く学び、その内容について詳しく問い質し、深く考えること。
  • 実事求是(じつじきゅうぜ):
    事実に基づいて、物事の正しいあり方を追求すること。

英語表現

「格物致知」を英語で表現する場合、科学的な探究や、物事の根源を突き止めるという意味の慣用表現が使われます。

The investigation of things

  • 意味:「事物の調査・探求」
  • 解説:儒教の概念としての「格物」を英語に訳す際の標準的な表現です。
  • 例文:
    His approach to science begins with the investigation of things.
    (彼の科学へのアプローチは、格物致知から始まる。)

Getting to the root of the matter

  • 意味:「事柄の根源にたどり着く」
  • 解説:表面的な理解ではなく、問題や物事の根本にある理由を突き止めるというニュアンスです。
  • 例文:
    To solve this problem, we must get to the root of the matter.
    (この問題を解決するには、格物致知の精神で根源に迫らなければならない。)

まとめ

「格物致知」は、現代の忙しい日常で見失いがちな「深く考えること」の尊さを教えてくれます。
溢れる情報を効率よく処理するだけでなく、一つの物事とじっくり向き合い、その裏側にある道理を理解する。
その手間を惜しまない姿勢こそが、揺るぎない知恵を形作る土台となります。

何かに疑問を感じたとき、一歩立ち止まってその本質を覗き込んでみる。
そうした日々の小さな探求が、世界をより深く、正しく捉えるための力になることでしょう。

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