四字熟語 故事成語

荒唐無稽

(こうとうむけい)

言動に根拠がなく、とりとめがなくて現実離れしている様子。


7文字の言葉こ・ご」から始まる言葉
荒唐無稽 ことば
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意味

「荒唐無稽」とは、言動に根拠がなく、現実味がないことを意味する四字熟語です。
話のスケールが大きすぎて、とりとめがない様子を指して使われます。

この熟語を分解すると、その意味がより鮮明になります。

  • 荒唐(こうとう):言葉が大きすぎて、とりとめがないこと。
  • 無稽(むけい):根拠や、調べた形跡となる確かな拠り所がないこと。

単なる「嘘」や「間違い」とは異なり、話の筋道が通っておらず、現実から大きく乖離しているニュアンスが強い言葉です。

語源・由来

「荒唐無稽」の語源は、中国の古典『荘子』(そうじ)にあります。

『荘子』の「天下篇」において、荘子自身の説く思想が「荒唐之言」と評されたことが始まりです。
彼の語る物語は、想像を絶する巨大な魚や鳥が登場するなど、あまりに自由奔放でスケールが大きかったため、当時の人々には「とりとめがない(荒唐)」と映りました。

そこに、『書経』に見られる「稽(かんが)うる無きは信ずること勿(なか)れ(根拠のないことは信じてはならない)」という「無稽」の概念が結びつき、現代のような意味になりました。
本来は深遠な思想を指す側面もありましたが、現在では主に「でたらめ」という否定的な文脈で用いられます。

使い方・例文

「荒唐無稽」は、主に非現実的な計画や、信憑性の低い噂話を指摘する場面で使われます。
「あり得ない」という批判だけでなく、時には「想像力が豊かすぎる」といった驚きを込めて使われることもあります。

  • 彼の新事業案は、夢はあるが現在の技術力では荒唐無稽と言わざるを得ない。
  • その週刊誌に載っていた陰謀論は、あまりに荒唐無稽で取り合う気にもなれなかった。
  • 昔の映画で描かれた未来像が、当時は荒唐無稽な空想だと思われていた。
  • 子供が語る荒唐無稽な冒険の物語に、思わず笑みがこぼれた。

類義語・関連語

「荒唐無稽」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 荒誕無稽(こうたんむけい):
    内容がでたらめで、全く根拠がないこと。
  • 奇想天外(きそうてんがい):
    普通の人では思いつかないような、非常に奇抜な発想のこと。
  • 支離滅裂(しりめつれつ):
    筋道が通っておらず、バラバラでまとまりがない様子。

「荒唐無稽」は「内容そのものの信憑性のなさ」を指しますが、「支離滅裂」は「論理の組み立ての崩壊」に焦点が当たるという違いがあります。

対義語

「荒唐無稽」とは対照的な意味を持つ言葉は以下の通りです。

  • 信而有徴(しんじゆうちょう):
    確かな証拠があり、信頼できること。
  • 実事求是(じつじきゅうぜ):
    事実に基づいて、物事の真理を正しく探究すること。
  • 質実剛健(しつじつごうけん):
    飾り気がなく、真面目で、心身ともに強くたくましいこと。

「信而有徴」は「根拠(稽)がある」という点で、まさに「無稽」の正反対に位置する言葉です。

英語表現

「荒唐無稽」を英語で表現する場合、ネイティブは以下のような表現を使います。

Absurd

直訳は「不合理な」「ばかげた」で、論理的にあり得ないことや、笑ってしまうほど現実離れした状況を指す表現。

The idea of traveling to the sun is simply absurd.
(太陽へ旅行するというアイデアは、単に荒唐無稽だ。)

Groundless

直訳は「根拠のない」で、噂や批判などが、確かな証拠(ground)に基づかないことを表す表現。

I was relieved to find that the accusations were groundless.
(その非難が荒唐無稽なものだと分かり、安心した。)

『荘子』での「荒唐」

『荘子』天下篇で「荒唐之言」と評されたのは、荘子自身の語り口でした。

『荘子』の冒頭には、大きさが何千里あるか分からない魚が鳥に変わって飛ぶという話が置かれています。
「荒唐」は、こうした尺度の合わない語り方を指す語でした。

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