見知らぬ土地への旅。一人では心細い道のりも、誰か一緒に行く仲間(道連れ)がいれば、とても心強く感じられるものです。
「旅は道連れ世は情け(たびはみちづれよはなさけ)」ということわざは、その経験を、私たちが生きていく世の中全体になぞらえた、温かい教えを伝えています。
今回は、「旅は道連れ世は情け」の基本的な意味から、その背景、使い方、類語、英語表現まで、分かりやすく解説していきます。
「旅は道連れ世は情け」の意味・教訓
このことわざは、「旅をする時には道連れがいると心強いように、世の中を生きていく上では、人々の間に互いを思いやる温かい心(情け)が何よりも大切である」 という意味です。
人は一人では生きていけず、互いに支え合い、思いやりを持つことが不可欠であるという、人間関係の根本的な大切さを説く教訓です。
「旅は道連れ世は情け」の語源
このことわざの明確な起源や作者は分かっていません。
しかし、背景には昔の旅の状況が考えられます。
かつて徒歩が中心だった旅は、山賊に襲われる危険などもあり、一人旅は非常に心細く危険でした。
そんな時、同じ方向へ向かう「道連れ」は、互いに助け合える何よりも心強い存在でした。
この「旅での助け合いの大切さ」が、そのまま「世の中を渡っていく上でも、人の情け(思いやりや助け合い)が一番大切だ」という教えに繋がったとされています。
使用される場面と例文
人と人との温かい繋がりや、助け合いの重要性を語る場面で広く用いられます。
困っている人への協力を呼びかける時や、受けた親切への感謝を示す時などにも使われます。
例文
- 「一人で抱え込まずに相談してください。「旅は道連れ世は情け」と言いますから。」
- 「見知らぬ土地でこんなに親切にしていただき、本当に助かります。まさに「旅は道連れ世は情け」ですね。」
- 「困った時はお互い様です。「旅は道連れ世は情け」、いつでも声をかけてください。」
類義語・言い換え表現
「旅は道連れ世は情け」と似た、助け合いの精神を表す言葉を紹介します。
- 持ちつ持たれつ(もちつもたれつ):
互いに助けたり、助けられたりする、相互扶助の関係にあること。 - 相身互い(あいみたがい):
同じような境遇や立場にある者同士、互いに同情し、助け合うこと。「お互い様」というニュアンスが強い。
対義語
助け合いの精神とは対照的な、個人主義的な態度や他者への無関心を示す言葉です。
- 我関せず(われかんせず):
自分には関係がないという態度で、無関心を装うこと。 - 自己責任(じこせきにん):
自分の行動の結果は、他人に頼らず自分自身で引き受けるべきだという考え方。
※文脈により、他者との助け合いを否定する意味で使われることもあります。
英語での類似表現
「人は一人では生きていけない」という、「世は情け」の部分に通じる英語表現があります。
No man is an island.
- 意味:「人は孤島ではない」。
- ニュアンス:詩人ジョン・ダンの言葉に由来し、人は他者との関わりなしには生きていけないという、普遍的な真理を表します。
We’re all in the same boat.
- 意味:「我々は皆、同じ船に乗っている」。
- ニュアンス:困難な状況を共有しており、互いに協力し合う必要がある、という「助け合い」のニュアンスが近い表現です。
まとめ – 支え合いの温かさ
「旅は道連れ世は情け」は、厳しい旅路も仲間がいれば心強く、人生という道のりも人々の温かい情けがあれば乗り越えていける、という大切な教えを伝えています。
人間関係が希薄になりがちとも言われる現代ですが、互いに支え合う心の温かさこそが、世の中を渡っていく上で最も大切なことなのかもしれませんね。





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