意味
「旅の恥は掻き捨て(たびのはじはかきすて)」とは、旅先には知る人がいないため、多少の恥知らずな振る舞いをしてもその場限りのものとして捨てておけばよいという意味です。
語源・由来
「掻き捨て」は、恥をかいたり失敗したりしても、少しも気に留めずに平気でいることをいいます。
知り合いのいない旅先では、多少の失敗や恥ずかしい振る舞いもその場に置いていけばよい、という考え方を表した言葉です。
旅先の解放感から、ふだんなら控える振る舞いにも気がとがめにくくなる、という気持ちも含まれています。
もともとは、地元なら眉をひそめられるような行為も旅先でなら許される、という意味合いで使われることの多い言葉でした。
使い方・例文
「旅の恥は掻き捨て」は、旅先での過度な遠慮を捨てて行動を促す場面や、失敗を慰める場面で使われます。
今日では、旅先での身勝手な振る舞いをとがめる否定的な文脈で引かれることも多い言葉です。
- せっかくの海外旅行なので、旅の恥は掻き捨てで現地のダンスに参加した。
- 昨夜の失態は旅の恥は掻き捨てと考えて、これ以上気に病むのはよそう。
- 言葉が通じなくても、旅の恥は掻き捨ての精神で積極的に店員へ話しかける。
類義語・関連語
「旅の恥は掻き捨て」と似た意味を持つ言葉には以下のものがあります。
- 後は野となれ山となれ(あとはのとなれやまとなれ):
当面の事柄さえ片付けば、その後の結果がどうなろうと知ったことではないという態度。
対義語
「旅の恥は掻き捨て」と反対の意味を持つ言葉には以下のものがあります。
- 立つ鳥跡を濁さず(たつとりあとをにごさず):
立ち去る者は、見苦しくないように自分のいた場所の後始末をきちんとするべきだという戒め。 - 旅は道連れ世は情け(たびはみちづれよはなさけ):
旅では同行者がいることが心強く、世を渡るには互いに情けをかけることが大切だという考え。
英語表現
What happens in Vegas, stays in Vegas
特定の場所での羽目を外した行動は、外部に漏らさずその場限りの秘密にするという意味の表現。
Don’t worry about last night. What happens in Vegas, stays in Vegas!
(昨夜のことは気にするな。旅の恥は掻き捨てだよ。)
「旅の恥は書き捨て」と書くのは誤り
「掻き捨て」は、掻いて捨てる、つまり惜しまずに捨てることを意味します。
「書き捨て」と混同されがちですが、「旅の恥は書き捨て」と書くのは誤りです。
「掻き捨て」は、かつて「かきずて」と濁って発音することもありました。










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