意味
「質実剛健(しつじつごうけん)」とは、飾り気がなく真面目で、心も体も強くたくましい様子です。
- 質実(しつじつ):外見を飾らず、真面目で誠実なこと。
- 剛健(ごうけん):心身が強く、たくましいこと。
語源・由来
「質実剛健」は、近代の日本で広まった表現です。
明治時代以降、日露戦争後の国民の風紀の引き締めなどを背景に、近代国家を支える青少年に求められる理想像として「質素倹約」や「心身の鍛錬」が奨励されました。
その過程で、教育現場のスローガンや学校の校訓として広く定着したと考えられています。
使い方・例文
「質実剛健」は、人柄の誠実さや、組織の気風、物の作りの丈夫さを肯定的に評価する場面で使われます。
- 彼の質実剛健な人柄は、周囲から深く信頼されている。
- 我が校は、質実剛健をモットーに生徒の育成を目指している。
- 派手さはないが、質実剛健な作りの鞄で長く使えそうだ。
類義語・関連語
「質実剛健」と似た意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。
- 剛毅木訥(ごうきぼくとつ):
意志が強くしっかりしていて、飾り気や口数が少ないこと。 - 謹厳実直(きんげんじっちょく):
慎み深く、極めて真面目で正直なこと。 - 質素倹約(しっそけんやく):
飾り気がなくつつましく、無駄遣いをしないこと。
対義語
「質実剛健」と反対の意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。
- 軽佻浮薄(けいちょうふはく):
気分が浮ついていて、行動や考えが浅はかなこと。 - 巧言令色(こうげんれいしょく):
言葉を飾り、顔つきを取り繕って他人にこびへつらうこと。 - 虚栄(きょえい):
中身が伴っていないのに、外見ばかりを飾って見栄を張ること。
中央大学の校風「質実剛健」は記事の題から広まった
中央大学の記録では、「質実剛健」が同大学の文献に初めて出るのは、1914年(大正3年)8月発行の『法学新報』に載った「質実剛健の校風」という記事です。
卒業式での奥田義人学長の訓辞を伝える記事でしたが、訓辞そのものにこの言葉は無く、題は記者を務めていた卒業生が付けました。
この題をきっかけに広まり、1921年(大正10年)に作られた校歌では「質実剛健これ吾校風」と歌われるまでになります。
1923年(大正12年)11月の「国民精神作興に関する詔書」には、この四字がそのまま入りました。
関東大震災の後に出たこの詔書は、「浮華放縦ヲ斥ケテ質実剛健ニ趨キ」(うわついた派手さや勝手気ままを退けて、質実剛健に向かい)と国民に求めています。
中央大学の記事の題から9年後には、「質実剛健」は国が国民に求める言葉にもなっていたわけです。















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