意味
「融通が利く(ゆうずうがきく)」とは、その場の事情に合わせて、うまく物事をさばけるという意味です。
また、お金などにゆとりがあって、困らずにすむという意味でも使います。
- 融通(ゆうずう):滞りなく通じること。やりくり。
- 利く(きく):はたらきが十分に発揮される。
語源・由来
この言葉の「融通」は、とけるという意味の「融」と、通じるという意味の「通」を組み合わせた語で、もとは物事が滞りなく通じるという意味です。
そこから転じて、必要に応じて自在に処理することや、必要なお金や物を都合することも「融通」と呼ぶようになりました。
「融通が利く」は、この自在な処理ややりくりがきちんとはたらく、という組み立てで、二つの意味もここから分かれています。
使い方・例文
打ち消しの「融通が利かない」「融通の利かない」の形にすると、決まりや手順にこだわって応用ができない様子を表します。
その場に合わせてさばける
- 行きつけの店の店長は融通が利く人で、閉店間際の注文にも快く応じてくれた。
- 規則の一点張りで融通の利かない窓口に、客たちは困り果てていた。
お金にゆとりがある
- ボーナスが出たばかりなので、今月は家計に少し融通が利く。
- 売り上げが落ちてから、父の店では資金の融通が利かなくなってきた。
類義語・関連語
その場に応じて柔軟に対処できるという意味で、次の言葉が近い意味を持ちます。
対義語
- 杓子定規(しゃくしじょうぎ):
何でも一つの基準や規則に当てはめて処理しようとする、応用のきかないやり方。
「融通」は昔「ゆずう」と読んだ
「融通」は今では「ゆうずう」と読みますが、古くは「ゆずう」と読まれることが多くありました。
「ゆ」は「融」の呉音(= 古い時代に伝わった漢字の読み方の一つ)です。
平安時代の終わりに天台宗の僧・良忍が始めた「融通念仏」も、古くは「ゆずうねんぶつ」と読まれました。
自分の唱える念仏と他人の唱える念仏がとけあい、一人の念仏が多くの人を極楽へ導くと説く教えです。
この「融通」は、別々のものがとけあって一つになるという、仏教での意味で使われています。

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