慣用句

難色を示す

(なんしょくをしめす)

提案や頼みに対して、承知しない様子や賛成できない気持ちを表に出す。


9文字の言葉 / 「な」から始まる言葉
難色を示す ことば
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意味

「難色を示す(なんしょくをしめす)」とは、賛成できない、承知しかねるという様子を、態度や顔つきで相手に見せるという意味です。

語源・由来

この言葉は、「難色」と「示す」を組み合わせたものです。
「難色」は、難しいと思うような顔色や、承知しかねる様子のことで、相手を非難するような顔つきを指すこともあります。
それを表に出すのが「難色を示す」です。

使い方・例文

「〜に難色を示す」の形で、何に賛成できないのかを「に」の前に置きます。

  • 父は、私が春から一人暮らしをする計画に難色を示した。
  • 地元の住民は、駅前に高層ビルを建てる案に難色を示している。
  • 取引先が値上げの申し入れに難色を示し、話し合いは来週に持ち越された。

『明暗』でお延が見せた難色

夏目漱石の『明暗』で、主人公の津田は、朝鮮へ渡る友人の小林に、貸すという名目で餞別の金を渡すことにします。
その金は妻のお延がもらってきた小切手から出すもので、決まるまでにはお延も簡単には首を縦に振りませんでした。

もちろんそこへ行き着くまでにはお延にも多少の難色があった。小林のような横着おうちゃくな男に金銭を恵むのはおろか、ちゃんとした証書を入れさせて、一時の用を足してやる好意すら、彼女の胸のどの隅からも出るはずはなかった。

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類義語

どれも、承知しない、賛成しないという気持ちを表す言葉です。

  • 首を横に振る(くびをよこにふる):
    承知しない、認めないという気持ちを示すこと。
  • 異を唱える(いをとなえる):
    反対の意見をはっきり口にすること。

英語表現

frown on

物事をよしとしない、好ましく思わない態度。

The committee frowned on the plan to raise the fee.
(委員会は料金を上げる案に難色を示した。)

balk at

ある事をしたがらない、受け入れようとしない様子。

Many residents balked at the cost of the new bridge.
(多くの住民が新しい橋の費用に難色を示した。)

魏の宮廷楽人が浮かべた難色

中国の歴史書『三国志』には、魏ぎの宮廷で音楽を受け持った杜夔ときという人物の伝があり、そこにも「難色」が出てきます。
杜夔ときは音律に通じ、曹操そうそうに命じられて宮廷の儀式の音楽を整えました。
次の一節は、曹操の子の文帝(= 曹丕そうひ)が、客の前で演奏するよう命じたときの記述です。

又嘗令夔……於賓客之中吹笙鼓琴,夔有難色,由是帝意不悅。
(文帝はまた、杜夔に客人の前で笙しょうを吹き琴を弾くよう命じたことがあった。杜夔は難色を浮かべ、そのため帝は不快に思った。)

杜夔ときはのちに別の件で捕らえられます。
自分が修めたのは宮廷の雅楽で、官職にも本来の務めがあると考えて不満を抱き続け、職を解かれたまま亡くなりました。

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