意味
「善後策(ぜんごさく)」とは、起きてしまった事態を、うまく収めるための手だてのことです。
「善後」は、後々のためによいようにする、後始末をよくするという意味の語で、そこに方法を表す「策」が付いた形です。
語源・由来
「善後」は「後を善くする」という組み立ての言葉です。
古くは中国の兵法書『孫子』の作戦篇に、同じ形の言い回しが入った次の一節があります。
夫鈍兵挫銳,屈力殫貨,則諸侯乘其弊而起,雖有智者,不能善其後矣。
(軍が疲れて勢いがくじけ、力も財も使い果たせば、ほかの国々がその弱みにつけこんで攻めてくる。そうなれば、知恵のある者がいても、その後をうまく収めることはできない。)
使い方・例文
- 顧客の情報が漏れたと分かり、会社は夜通し善後策を話し合った。
- 大雨で花火大会が中止になり、実行委員は善後策を練っている。
- 失敗した人を責めるより、まず善後策を考えるほうが先だ。
類義語・関連語
どちらも、起きた事態に対して取る手だてを表す語です。
- 弥縫策(びほうさく):
失敗や欠点を、その場しのぎに取り繕うための策。後始末をうまくつける善後策と違い、一時的なごまかしの意味合いがある。 - 対応策(たいおうさく):
状況や相手の出方に合わせて取る方策。
「拙速」も『孫子』作戦篇の語
『孫子』作戦篇では、知恵のある者でも後をうまく収められないと説いた一節のすぐ後に、戦は下手でも速く終えた例は聞くが、うまくても長引かせた例は見たことがない、という言葉が続きます。
できはよくないが仕事が早いことを表す今の「拙速」は、ここに出てくる語です。
長い戦いは国を疲れさせて後始末がつかなくなる、という同じ話の流れの中に、「その後を善くする」という言い回しと「拙速」が並んでいます。


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