慣用句

逆手に取る

(さかてにとる)

相手が仕掛けてきたことや置かれた状況を、反対にこちらの攻めに利用すること。

異形:逆手にとる

6文字の言葉 / 「さ・ざ」から始まる言葉
逆手に取る ことば
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意味

「逆手に取る(さかてにとる/ぎゃくてにとる)」とは、相手の攻撃や出方を逆に利用して、こちらからやり返すという意味です。
相手の行いや置かれた状況に対して、ふつう考えられるのとは反対のやり方で応じることにもいいます。

  • 逆手(さかて/ぎゃくて):ふつうとは逆の手の使い方や握り方。

語源・由来

この言葉の「逆手」は、ふつうとは逆にした手の使い方を指す語です。
「さかて」と読むときは、刃物の柄を小指が刃の側に来るように握る持ち方や、鉄棒を下から、手のひらが自分のほうを向くように握る握り方を指します。
古代に、人をのろうときや不吉なことがあったときに打ったという手の打ち方も「天あまの逆手さかて」と呼ばれました。

「ぎゃくて」と読むときは、柔道などで相手の腕の関節を反対に曲げる技や、相撲で使ってはいけない技を指します。
どちらの読みの「逆手」にも、相手の攻撃を逆に利用してやり返すという意味があり、「逆手に取る」はこの意味で使われます。

使い方・例文

「失言を逆手に取る」「不利な条件を逆手に取る」のように、「〜を逆手に取る」の形で、利用する相手の言動や状況を前に置いて使います。

  • 相手チームの強引な攻めを逆手に取って、すばやく反撃に出た。
  • 「古くさい」という評判を逆手に取り、昭和の雰囲気を売りにした喫茶店だ。
  • 彼は相手の言い間違いを逆手に取って、議論の流れを変えてしまった。
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類義語・関連語

どれも、相手や状況の力を逆の向きに使って自分の得にするという点で「逆手に取る」と重なる言葉です。

  • 逆用(ぎゃくよう):
    そのものが本来もつ目的とは反対のことに利用すること。
  • 裏をかく(うらをかく):
    相手の予想とは反対の手に出て、相手を出し抜くこと。相手の攻撃を利用するのではなく、読みを外して上回る点が違う。
  • 禍を転じて福と為す(わざわいをてんじてふくとなす):
    降りかかったわざわいを逆に利用して、幸せになるよう取り計らうこと。中国の古典『戦国策せんごくさく』から出た言葉。

英語表現

turn the tables

立場を逆転させ、不利だった側が有利に立つようにすること。
「turn the tables on 人」で、その相手に対してやり返す意味。

She turned the tables on her rival by using his own argument.
(彼女はライバルの主張を逆手に取って、形勢を逆転させた。)

切腹の短刀は逆手に握る

森鷗外の小説『堺事件』(1914年)は、1868年に堺で起きた土佐藩の兵とフランス水兵の衝突と、その後の土佐藩士たちの切腹を描いた作品です。
次の一節では、箕浦猪之吉みのうらいのきちが短刀を逆手に握って腹に突き立てています。

箕浦は衣服をくつろげ、短刀を逆手に取つて、左の脇腹へ深く突き立て、三寸切り下げ、右へ引き廻して、又三寸切り上げた。
(箕浦は着物の前を開き、短刀を逆手に握って左の脇腹に深く突き刺し、約9センチ切り下げてから右へ引き回し、また約9センチ切り上げた。)

ここでの「逆手」は、小指が刃の側に来るように柄を握る持ち方で、切腹で短刀を持つときの握り方です。
相手の力を利用する今の意味ではなく、握り方そのものを言う使い方です。

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