意味
「天を衝く(てんをつく)」とは、空に届くかと思うほど高くそびえているという意味です。
また、勢いがきわめて盛んであることのたとえにも使います。
語源・由来
この言葉は、「天」(= 空)を下から突き上げるほどだ、という組み立てでできています。
漢語では同じことを「衝天」(しょうてん)と二字で表し、四字熟語の「意気衝天」を訓読みにすると「意気天を衝く」になります。
「天を突く」と書くこともあります。
使い方・例文
高さの意味では建物や木などに、勢いの意味では「意気天を衝く」の形でも使います。
- 駅を出ると、天を衝くような高層ビルが目の前に並んでいた。
- 神社の境内では、樹齢数百年の杉が天を衝いて立っている。
- 決勝進出を決めた選手たちは、意気天を衝く様子で会場を後にした。
- 年に一度の祭りの夜、町は天を衝くほどの熱気に包まれる。
使うときの注意
よく似た形の「怒髪天を衝く」は、髪の毛が逆立つほど激しく怒る様子をいう別の句です。
「天を衝く」だけでは怒りの意味にはならないので、二つを混ぜて使わないようにします。
類義語・関連語
勢いが盛んだという意味で置き換えられる語です。
- 衝天(しょうてん):
天をつくこと。気力や勢いが盛んな様子にもいう。 - 意気衝天(いきしょうてん):
意気込みが天をつくほど激しく盛んなこと。「意気天を衝く」と訓読みしても使う。 - 意気軒昂(いきけんこう):
意気込みが盛んで、元気のよい様子。
英語表現
sky-high
高い建物などが、空に届くほど高い様子。
Seen from the street, the new tower looked sky-high.
(通りから見ると、新しいタワーは天を衝くほど高く見えた。)
天をこする建物「摩天楼」
高い建物を空にたとえた言葉に、「摩天楼」があります。
英語の skyscraper を訳した語で、「摩」は「こする」という意味です。
skyscraper は、1880年代後半からアメリカの大都市に建ち始めた高層ビルを、天をこするような姿からまとめて呼んだ言葉です。
ニューヨークでは1920年代から1930年代にかけて摩天楼の全盛期を迎え、エンパイア・ステート・ビルも1931年に建てられました。
同じ字を使った「天を摩する」も、「天を衝く」と同じく空に届くほど高い様子をいう言い回しで、おもに高い建物に使います。

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