意味
「押っ取り刀(おっとりがたな)」とは、急な事態を知って、大あわてで駆けつけるさまをいいます。
本来は、急なときに刀を手につかんだままでいることや、その刀を指します。
語源・由来
この言葉の「押っ取り」は「押し取る」、つまり勢いよく手につかみ取ることです。
武士が急用のとき、刀を腰に差す間もなくつかみ取って駆けつけた様子から生まれました。
「おっとり」の部分を、ゆっくり・のんびりの意味に取るのは誤りです。

使い方・例文
- 工場で火が出たと聞き、社長は押っ取り刀で現場へ駆けつけた。
- 子どもがけがをしたと学校から電話があり、母は押っ取り刀で家を飛び出した。
類義語・関連語
- 取る物も取り敢えず(とるものもとりあえず):
持つべき物も持てないほど、大急ぎで動くさま。
英語表現
drop everything
していることをすべて止めて、すぐ別のことに向かうという意味の句。
rush(急いで行く)と組んで、急な知らせに駆けつける場面でよく使う形。
When the school called, she dropped everything and rushed home.
(学校から電話があり、彼女は押っ取り刀で家に駆けつけた。)
「おったまげる」は「押し」と「たまげる」
「押っ取り刀」の「おっ」は「押し」が詰まった形で、「おっぱじめる」「おっかぶせる」のように、ほかの動詞の頭にも付いて意味を強めます。
「おったまげる」も、この「おっ」に「魂消る」が付いた言葉です。
「たまげる」は魂が消えるほど驚くという意味なので、「おったまげる」は驚きをいっそう強めた言い方になります。
「たまげる」のほうは、方言の地図にも跡を残しています。
「驚く」の言い方を地図に並べると、近畿の周りが今と同じ「びっくりする」、その外側が「おびえる」の仲間、いちばん外側が「たまげる」の仲間です。
ここでいう「おびえる」は、怖がるではなく驚くという意味です。
この並びは、都で言い方が「たまげる」から「おびえる」、「びっくりする」へと移り、古い言い方ほど都から遠い土地に残った跡と見られています。

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