「傾聴」に関することわざ・慣用句・四字熟語・故事成語一覧

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傾聴 【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語

相手の話に深く耳を傾ける「傾聴」
人間関係を築く上で欠かせない「聞く力」については、ポジティブな姿勢だけでなく、「耳の痛い話こそ聞くべき」という戒めや、逆に「聞かない態度」への批判など、古くから多くの言葉が残されています。

ビジネス、教育、日常会話で使える、「聞くこと」にまつわる有名な言葉を網羅して紹介します。

1. 「真剣に聞く姿勢」を表す四字熟語・慣用句

相手の話を一言も漏らさず、身を入れて聞こうとする理想的な態度です。

傾耳注目(けいじちゅうもく)

耳を傾け、目を注ぐこと。
一心に相手の話を聞き、その挙動を見守る様子。全身全霊で相手に向き合う、まさに「傾聴」の状態です。

洗耳恭聴(せんじきょうちょう)

汚れた耳を洗い清めるようにして、相手の言葉をうやうやしく聞くこと。
非常に謙虚な気持ちで、相手の話をありがたく拝聴する姿勢を示します。

虚心坦懐(きょしんたんかい)

心になんのわだかまりもなく、さっぱりとして平穏な状態のこと。
先入観や偏見を持たず、素直な心で相手の話を受け入れる、傾聴において最も重要な精神状態です。

耳を傾ける(みみをかたむける)

熱心に聞こうとする。相手の話や意見に真剣に向き合うこと。
「傾聴」を訓読みにした、最も一般的な表現です。

耳を澄ます(みみをすます)

小さな音や声を聞き漏らさないように、神経を集中させて聞くこと。

聞き耳を立てる(ききみみをたてる)

聞こえてくる物音や話し声などを、注意して聞こうとすること。
※文脈によっては「盗み聞き」のニュアンスも含むため、使用には注意が必要です。

2. 「聞くこと」の重要性を説くことわざ

「話す」よりも「聞く」ことの方が、人生において価値があるとする教訓です。

話し上手は聞き上手(はなしじょうずはききじょうず)

本当に話が巧みな人は、相手の話を引き出すのがうまく、聞くことにも長けているということ。
一方的に喋るのではなく、相手に気持ちよく話させることこそが、会話の極意です。

耳は二つ、口は一つ(みみはふたつくちはひとつ)

人間には耳が二つあるのに口は一つしかない。
これは、話すことの二倍、人の話をよく聞きなさいという戒めです。
(古代ギリシャの哲学者ゼノンの言葉に由来すると言われます)

聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥(きくはいっときのはじきかぬはいっしょうのはじ)

知らないことを人に聞くのはその時は恥ずかしいが、聞かずに知らないままで過ごすことは一生の恥になるということ。
分からないことは素直に「聞く」という謙虚な姿勢の重要性を説いています。

一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる)

物事の一端を聞いただけで、その全体を理解するほど賢明であること。
※傾聴においては、相手の言葉の裏側まで察する能力として応用されますが、早合点(推測による決めつけ)にならないよう注意が必要です。

3. 「耳の痛い話」こそ傾聴すべきとする言葉

自分にとって都合の悪い話や、厳しい意見を受け入れることの難しさと大切さを説く言葉です。

忠言耳に逆らう(ちゅうげんみみにさからう)

誠実な忠告は、欠点を指摘するため聞くのがつらいが、自分のためになるということ。
『史記』などに由来する言葉で、批判的な意見こそ傾聴すべきという、リーダーや上に立つ人に求められる姿勢です。

良薬は口に苦し(りょうやくはくちににがし)

よく効く薬は苦くて飲みにくいように、本当に自分のためになる忠告は、素直に聞き入れにくいということ。
「忠言耳に逆らう」とセットで使われることが多い言葉です。

耳が痛い(みみがいたい)

他人の言葉が自分の弱点を突いていて、聞くのがつらいこと。
それでも「耳を塞ぐ」のではなく、受け止めることが成長に繋がります。

4. 「深い理解・共感」を表す言葉

単に聞くだけでなく、相手の心まで通じ合うような深い関係性を示します。

知音(ちいん)

自分の心をよく理解してくれる親友のこと。
中国の故事で、琴の名手の演奏を聞き、その音色から奏者の心情を完璧に理解した友人がいたことに由来します。「聴くこと」の究極系と言えます。

三顧の礼(さんこのれい)

目上の人が、ある人物に仕事を頼むために、礼儀を尽くして何度も足を運ぶこと。
『三国志』の劉備と諸葛孔明のエピソードで有名。
「相手の意見を聞くために、自らへりくだって出向く」という、最大限の傾聴姿勢です。

膝を交える(ひざをまじえる)

互いの膝が触れ合うほど近くに寄り合って、親しく話すこと。
物理的な距離だけでなく、心の距離も縮めて深く話し合う(聞き合う)様子を表します。

相槌を打つ(あいづちをうつ)

相手の話に調子を合わせてうなずくこと。
「聞いていますよ」というサインを送り、相手が話しやすい雰囲気を作る、傾聴の必須スキルです。

5. 【対義語】聞かない・通じない言葉

傾聴とは正反対の、「聞く耳を持たない」状態を表す言葉です。

馬耳東風(ばじとうふう)

人の意見や批評を、心に留めず聞き流すこと。
馬の耳に春風が吹いても何も感じない様子から。

馬の耳に念仏(うまのみみにねんぶつ)

いくらありがたい意見を聞かせても、相手が理解しようとしなければ全く価値がないことのたとえ。
「聞く気がない人」の形容として非常に有名です。

右から左(みぎからひだり)

聞いたことを記憶に留めず、そのまま聞き流してしまうこと。
「右の耳から左の耳へ抜ける」とも言います。

蛙の面に水(かえるのつらにみず)

何を言われても全く気にせず、平気でいること。
厚かましい態度の例えですが、忠告を聞き入れないという意味でも使われます。

まとめ

「傾聴」に関する言葉を整理すると、単に話を聞く姿勢だけでなく、「忠言耳に逆らう」のような「聞きたくない話を聞く勇気」や、「知音」のような「心の理解」まで含まれていることが分かります。

一方で、「馬の耳に念仏」と言われないよう、私たち自身も「虚心坦懐」な心で、相手の言葉を受け止めるゆとりを持ちたいものですね。

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