意味
「横行闊歩(おうこうかっぽ)」とは、あたりかまわず大いばりで思いのままに歩くという意味です。
また、遠慮なく気ままにふるまうという意味でも使います。
- 横行(おうこう):気ままに歩きまわること。
- 闊歩(かっぽ):堂々と大またで歩くこと。
語源・由来
この言葉は、歩く様子を表す「横行」と「闊歩」を重ねた語です。
「横行」には、気ままに歩きまわるという意味のほかに、気ままにふるまうという意味もあります。
「闊」の字は「濶」とも書き、「横行濶歩」という書き方も見られます。
使い方・例文
「する」を付けて、「天下の大道を横行闊歩する」のように、歩く場所を「を」で示して使います。
- 休日の歩行者天国を、若者たちが肩を並べて横行闊歩していた。
- 権力を笠に着た役人が城下を横行闊歩し、人々に嫌われた。
- 社長の息子だからといって、社内を横行闊歩するのは見苦しい。
類義語
いずれも、周りに遠慮せず好き勝手にふるまう様子を表す語です。
「横行闊歩」と類義語の違い
「横行闊歩」は、大いばりで歩きまわるという、体の動きそのものを表す意味を持つ点がほかの二語と違います。
「我が物顔」は所有者のような顔つき・態度に、「傍若無人」は周りの人を無視する点に重きがあります。
| 語句 | 意味 | 重点 |
|---|---|---|
| 横行闊歩 (おうこうかっぽ) | 大いばりで気ままに歩く/気ままにふるまう | 大手を振って歩きまわる動き |
| 我が物顔 (わがものがお) | 自分のもののように遠慮なくふるまう | 所有者のような態度 |
| 傍若無人 (ぼうじゃくぶじん) | 人前をはばからず勝手にふるまう | 周りの人を無視すること |
漱石は猿股姿の車夫の歩きぶりを「横行濶歩」と書いた
夏目漱石の『吾輩は猫である』第七章では、猫が洗湯(= 銭湯)の硝子窓から裸の客たちを眺め、人間の衣服の歴史を語り出します。
その話では、猿股(= 男性用の短い下ばき)を発明した者が車夫(= 人力車を引く人)の先祖とされています。
続く次の一節に、この語が「濶」の字で出てきます。
あまり車夫が猿股をつけて天下の大道を我物顔に横行濶歩するのを憎らしいと思って負けん気の化物が六年間工夫して羽織と云う無用の長物を発明した。
(車夫が猿股をはいて大通りをわが物顔でいばって歩くのをあまりに憎らしく思い、負けず嫌いの化物が六年かけて工夫し、羽織という役に立たない物を発明した。)
猫の説では、このあと羽織の時代が来て、さらに袴の時代へと移っていきます。

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