意味
「薄志弱行(はくしじゃっこう)」とは、意志が弱く、実行する力に乏しいという意味です。
決めたことを最後までやり通せない人や、その性質を指して使います。
- 薄志(はくし):志が弱いこと。
- 弱行(じゃっこう):行いが弱く、実行力に欠けること。
語源・由来
この言葉は、「薄志」と「弱行」を重ねて、心の弱さと行動の弱さを一語で表した語です。
「弱」は「じゃく」が詰まって「じゃっ」と読みます。
使い方・例文
「薄志弱行な人」「薄志弱行の身」のように、後ろの名詞を修飾する形でも使えます。
- 日記を三日でやめてしまい、自分の薄志弱行が情けなくなった。
- 計画ばかり立てて動かないのでは、薄志弱行と言われても仕方がない。
- 薄志弱行な自分を変えたくて、彼は毎朝走ることにした。
類義語・関連語
意志の弱さや決断のできなさを表す語です。
「薄志弱行」と類義語の違い
「意志薄弱」は意志の弱さを言い、「薄志弱行」はそれに加えて実行力の乏しさまで表します。
「優柔不断」は、決めるまでの迷いに重きがある語です。
対義語
- 剛毅果断(ごうきかだん):
意志が強く、思い切りよく物事を決めて行うこと。 - 意志堅固(いしけんご):
意志が固く、簡単には揺るがない様子。
英語表現
weak-willed
意志が弱く、誘惑や困難に負けやすいこと。
I was too weak-willed to keep my New Year’s resolution.
(薄志弱行で、新年の誓いを守れなかった。)
『こころ』のKの遺書にある「薄志弱行」
夏目漱石の小説『こころ』の下篇「先生と遺書」四十八に、この語が出てきます。
Kが自殺したあと、机の上に残された先生あての手紙の内容を、先生が語る場面です。
手紙は簡単で、むしろ抽象的だったと書かれ、その中身が次のように要約されています。
自分は薄志弱行で到底行先の望みがないから、自殺するというだけなのです。
手紙には、世話になった礼や死後の片付けの依頼、奥さんへの詫びも書かれていましたが、お嬢さんの名前はどこにもありませんでした。
先生は、Kがわざとそれを避けたのだとすぐに気づきます。

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