意味
「孤影悄然(こえいしょうぜん)」とは、ひとりぼっちで、しおれたように元気をなくしている様子をいいます。
「孤影悄然たる」「孤影悄然として」の形で使います。
- 孤影(こえい):ひとりぼっちで寂しげに見える姿。
- 悄然(しょうぜん):元気がなく、うちしおれている様子。
語源・由来
この言葉は、「孤影」と「悄然」という二つの漢語を組み合わせてできた四字熟語です。
「孤影」は、中国の歴史書『後漢書』にも見える古い語です。
「悄然」には、辺りがひっそりともの寂しい様子を表す使い方もありますが、この四字熟語では、人がしおれて元気のない様子のほうで使われています。
使い方・例文
- 試合に負けた主将が、ひとり孤影悄然とグラウンドを去っていった。
- 荷物が運び出された部屋に、祖父が孤影悄然として座っていた。
- 傘もなく雨の駅前に立つ彼の姿は、孤影悄然たるものだった。
類義語・関連語
元気をなくして沈み込んだ様子を表す語には、次のようなものがあります。
- 意気消沈(いきしょうちん):
元気をなくし、すっかり沈み込むこと。
「孤影悄然」と「意気消沈」の違い
どちらも元気をなくした様子を表します。
「孤影悄然」はひとりでいる寂しげな姿まで言い、「意気消沈」は気持ちが沈んだ状態だけを言います。
| 語句 | 意味 | ひとりでいる寂しさ |
|---|---|---|
| 孤影悄然 (こえいしょうぜん) | ひとりぼっちで、しおれたように元気のない様子 | 含む |
| 意気消沈 (いきしょうちん) | 元気をなくし、沈み込むこと | 含まない |
「孤影悄然」の「悄然」は白居易の「長恨歌」にも出てくる
唐の詩人白居易の長編詩「長恨歌」には、「悄然」が使われた一節があります。
楊貴妃を失った玄宗皇帝が、夜の宮殿で眠れずにいる場面です。
夕殿螢飛思悄然,孤燈挑盡未成眠。
(夕暮れの宮殿に蛍が飛び、思いは沈んでしょんぼりとしている。ひとつきりの灯火の芯をかき立て尽くしても、まだ眠れない。)
日本では、平安時代の『和漢朗詠集』(= 漢詩文と和歌を集めた本)にもこの句が収められています。
ただし字は少し違い、「孤燈」が「秋燈」、「未成眠」が「未能眠」となっています。


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