意味
「にべもない」とは、ひどくそっけなくて、愛想のかけらもないという意味です。
話しかけても取り付く島がないような冷たさをいい、「にべもなく」の形でも使います。
語源・由来
この言葉の「にべ」は、ニベという魚の浮き袋から作る膠(= 動物の皮や骨などを煮て作る接着剤)のことで、漢字では「鰾膠も無い」と書きます。
ニベの膠は粘りが強く、その粘り気が無いことを、人に対する愛想が無いことにたとえた言葉です。
「にべ」の一語でも愛想という意味で使われ、「にべない」という言い方もあります。
使い方・例文
- 新しい企画を部長に持ちかけたが、にべもなく却下されてしまった。
- 道を尋ねただけなのに、にべもない返事をされて少し落ち込んだ。
- 祖父はにべもない口ぶりだが、困っている人を放っておけない性格だ。
類義語・関連語
相手に愛想を見せず、冷たくあしらう意味の言葉です。
- 取り付く島がない(とりつくしまがない):
頼りにしてすがる所がないこと。相手の態度が冷たく、話を進めるきっかけがつかめない様子にもいう。 - 木で鼻をくくる(きではなをくくる):
ひどく無愛想に人をあしらうこと。 - けんもほろろ:
人の頼みや相談を無愛想にはねつけるさま。「けん」も「ほろろ」も雉の鳴き声とされる。
英語表現
give someone the brush-off
相手の頼みや話を、そっけなくはねつけること。
I asked her for advice, but she gave me the brush-off.
(助言を頼んだが、彼女ににべもなく断られた。)
ニベの浮き袋、鳴き声を響かせ膠にもなる
ニベは、スズキの仲間の海の魚で、日本では松島湾より南の太平洋側の浅い海にすみます。
腹の中の筋肉を震わせ、浮き袋に響かせてグッグッと音を出します。
ニベの仲間を「グチ」と呼ぶ地方が多いのは、この音を出す習性のためです。
鳴き声は種類によって違い、卵を産む時期に特に大きくなって、群れを作るのに役立っているとされます。
身は塩焼きや天ぷらにされ、かまぼこの原料にもなりますが、浮き袋のほうは古くから膠の原料として使われてきました。
「にべもない」の「にべ」はこの浮き袋の膠のことで、身の味とは関係がありません。

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