意味
「青息吐息」とは、あまりの苦しさに追い詰められ、力なくため息をもらしている様子を意味します。
- 青息(あおいき):あまりの苦しさに顔が青ざめ、力なく漏れる息のこと。
- 吐息(といき):がっかりしたり、困ったりしたときにつくため息。
単に疲れているだけでなく、精神的・経済的に「もう限界だ」と感じるほどの深刻な苦境にあるさまを強調した言葉です。
語源・由来
「青息吐息」は、苦しいときに出る息を指す「青息」と、ため息を意味する「吐息」を組み合わせた言葉です。
「青息」の「青」は、苦悩のあまり顔が青白くなっている様子を表しているとされます。
切迫した心理状況や身体的な衰弱を、息の様子で生々しく表現した日常的な言葉が四字熟語として定着しました。
江戸時代の文学作品などにも見られ、古くから庶民の苦しい生活や心情を代弁する言葉として親しまれてきました。
使い方・例文
経済的な困窮だけでなく、仕事のプレッシャーや厳しい練習に耐えている場面など、心身が疲弊している状況で使われます。
例文
- 予想外の出費が重なり、今月の家計は青息吐息だ。
- 厳しいノルマを課せられ、営業部はみな青息吐息の様子だ。
- 練習の激しさに、新入部員たちは青息吐息であえいでいる。
- 借金の返済に追われ、彼は青息吐息の毎日を送っている。
誤用・注意点
最も注意すべきは、「青色吐息(あおいろといき)」という表記の間違いです。
「青息」が正しい言葉であり、「青色」ではありません。
これは、高橋真梨子さんの大ヒット曲である『桃色吐息』のイメージに強く引きずられたことによる、現代特有の誤用と考えられます。
また、この言葉は非常に重苦しい響きを持つため、ちょっとした疲れや軽い悩みに対して使うと、相手に状況を深刻に捉えられすぎてしまう可能性があります。
類義語・関連語
「青息吐息」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 四苦八苦(しくはっく):
非常に苦労し、精神的にも肉体的にもひどく苦しむさまを指します。仏教用語に由来。 - 火の車(ひのくるま):
経済的に非常に苦しく、家計や経営のやりくりが困難な状態を指します。 - 虫の息(むしのいき):
今にも絶えそうなほど弱々しい呼吸のことで、転じて、消滅しそうなほど衰えた状態を言います。 - アップアップ:
水に溺れてあえぐ様子から、借金や仕事に追われ、余裕がまったくない状態を指す俗な表現です。
対義語
「青息吐息」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 順風満帆(じゅんぷうまんぱん):
物事がすべて順調に運び、何の滞りもないさま。 - 意気軒昂(いきけんこう):
意気込みが非常に盛んで、元気に満ちあふれている様子。 - 意気揚々(いきようよう):
思い通りに事が運び、誇らしげに振る舞うさま。 - 余裕綽々(よゆうしゃくしゃく):
ゆったりとしていて、焦りや不安がまったくない状態。
英語表現
「青息吐息」を英語で表現する場合、重圧や窮地にあることを示す以下のフレーズが適しています。
Groaning under the weight of
「〜の重圧であえいでいる」
借金や過剰な仕事などの負担に押しつぶされ、苦しい声を上げているような状況を指す際に使われます。
The company is groaning under the weight of its heavy debt.
(その会社は巨額の負債を抱え、青息吐息の状態にある。)
In dire straits
「ひどい窮状にある」
経済的、あるいは社会的に極めて深刻な危機に直面しており、非常に困窮しているさまを表します。
The business was in dire straits after losing its main client.
(主要な取引先を失った後、その事業は青息吐息の危機的状況だった。)
四字熟語に見えて漢籍にない言葉
「青息吐息」は漢籍から来た四字熟語ではなく、江戸時代ごろから日本で使われ始めた言い方です。
「青息」だけで苦しいときに出る息を意味し、後ろの「吐息」は語調を整える添えとされています。
「青息」の成り立ちには、苦しさで顔が青ざめることからとする説のほか、大きなため息を指す「大息」が転じたとする説もあります。
『竹取物語』には船に酔った大納言が「青反吐」を吐く場面があり、顔色と息を結びつける言い方は古くからありました。










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