意味
「清廉潔白(せいれんけっぱく)」とは、心も行いも清く正しく、私利私欲に走ったり不正をはたらいたりせず、やましいところのないことをいいます。
- 清廉(せいれん):欲がなく、行いが正しいこと。
- 潔白(けっぱく):汚れがなく、やましい点がないこと。
語源・由来
「清廉潔白」は、意味の似た「清廉」と「潔白」を重ねた四字熟語です。
私欲を退けた役人の手本としてよく引かれるのが、後漢の高官・楊震の「四知」の故事です。
『後漢書』楊震伝によると、楊震が任地へ向かう途中、かつて自分が推挙した王密が夜になって金十斤を持って訪ね、「夜なので知る者はいません」と言って差し出しました。
楊震はこれを、次の言葉で退けています。
天知、神知、我知、子知。
何謂無知
(天が知り、神が知り、私が知り、あなたが知っている。
どうして知る者がいないと言えるのか)
同じ伝には、楊震が子孫のために財産を築くことも断り、「後世の人に清白な役人の子孫と呼ばれるようにして、それを遺すのだ」と語ったことも記されています。
使い方・例文
「清廉潔白」という言葉は、信頼に値する人物を称賛する際や、自身の身の潔白を強く主張する文脈で使われます。
例文
- 彼は清廉潔白な人柄で知られ、誰からも厚い信頼を寄せられている。
- 政治家には、何よりもまず清廉潔白であることが国民から強く求められる。
- 不正を疑われはしたが、調査の結果、彼女が清廉潔白であることが証明された。
類義語・関連語
「清廉潔白」と似た意味を持つ、誠実さや正しさを表す言葉です。
- 公明正大(こうめいせいだい):
隠し立てをせず、公平で正しいこと。 - 廉潔(れんけつ):
私欲がなく、行いがきれいで正しいこと。 - 氷清玉潔(ひょうせいぎょくけつ):
氷のように清く、玉のように汚れがない、極めて高潔な人格のたとえ。 - 品行方正(ひんこうほうせい):
行いが正しく、きちんとしていること。
対義語
「清廉潔白」とは対照的な、私欲や不正にまみれた状態を表す言葉です。
- 私利私欲(しりしよく):
自分の利益と欲望だけを考えて行動すること。 - 悪徳(あくとく):
道徳に背く、よこしまな心や行い。 - 汚職(おしょく):
職権を利用して不正な利益を得ること。
英語表現
「清廉潔白」を英語で表現する場合、個人の誠実さや腐敗のなさを表す単語が使われます。
integrity
「高潔さ」「誠実」「清廉」を意味する語。
一貫した道徳的原則を持っていることを表す、最も一般的な表現。
A leader must be a person of integrity.
(リーダーは清廉潔白な人物でなければならない。)
incorruptible
「買収されない」「腐敗しない」という意味の語。
金銭や権力によって心が汚されない、強い清廉さを強調する表現。
The judge was known for being incorruptible.
(その裁判官は清廉潔白なことで知られていた。)
「清廉潔白」の「廉」は、もとは部屋の片すみを表す字
「清廉」の「廉」という漢字は、もともと建物や部屋のかたわら・片すみを表す字で、「かど」とも読みます。
一方、「清廉」の「いさぎよい」「私欲がない」という意味については、音の近い「斂」に通じて、行いの正しいことを表すのに用いられたとする説明があります。
「廉」の字は、「かど・すみ」のほか、「清廉」「廉潔」の「いさぎよい」、「廉価」「廉売」の「値段がやすい」という意味でも使われます。













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