隠し事や後ろめたいことが何一つなく、誰の目から見ても明らかであること。
そんな人間の心の澄み切った状態を、自然の美しい情景に重ね合わせた言葉が、
「青天白日」(せいてんはくじつ)です。
意味
「青天白日」とは、空が青く晴れ渡り、太陽が明るく輝いていること。
転じて、心にやましいことが全くないことや、無実の罪(疑い)が晴れること。
- 青天(せいてん):青く晴れ渡った空。
- 白日(はくじつ):白く明るく輝く太陽。
語源・由来
中国・唐の時代の文人である韓愈(かんゆ)が、友人である崔群(さいぐん)に宛てた手紙『与崔群書(さいぐんにあたうるのしょ)』の一節に由来します。
韓愈は、友人の清らかで立派な人柄を「青天白日は、奴隷もまたその清明を知る(青空と輝く太陽の明るさは、どんな身分の者でも知っているように、あなたの清らかさは誰もが知っている)」と褒め称えました。
この「誰の目にも明らかで清らかである」という例えから、心にやましいことがない潔白さや、疑いが完全に晴れて無実が証明されることを指す言葉として定着しました。
使い方・例文
「青天白日」は、かけられていた疑いが晴れて無実が証明された場面や、心に全く曇りがない状態を表す際に使われます。
現代では「青天白日の身になる」という慣用句の形で使われることが一般的です。
- ようやく青天白日の身となった。
- やましいことなど何もない、青天白日の心境だ。
- 青天白日の身であることが証明された。
類義語・関連語
「青天白日」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 清廉潔白(せいれんけっぱく)
心が清らかで私欲がなく、後ろ暗いところがないこと。 - 光風霽月(こうふうせいげつ)
雨上がりのさわやかな風と、晴れた夜空の月。転じて、心がさっぱりとしてわだかまりがないこと。 - 明鏡止水(めいきょうしすい)
曇りのない鏡と静かな水面のように、邪念がなく澄み切った心境のこと。
英語表現
「青天白日」を英語で表現する場合、天気を表す直訳と、無実が証明されるという意味の慣用表現で異なります。
a clear blue sky
意味:澄み切った青空(天気を表す場合)
- It is a clear blue sky today.
今日は青天白日(快晴)だ。
be cleared of all charges
意味:すべての容疑(疑い)が晴れる
- He was finally cleared of all charges.
彼はついに青天白日の身となった。
台湾の国旗にも使われる「青天白日」のシンボル


中華民国(台湾)の国旗は、正式には「青天白日満地紅旗(せいてんはくじつまんちこうき)」と呼ばれています。
この国旗の左上に描かれている「青い背景に白い太陽」のマークが、まさに青天と白日を表しています
(※このマーク単体を用いたものが、画像下の中国国民党の党旗「青天白日旗」です)。
青い空は「自由」を、白い太陽は「平等」を象徴しており、一点の曇りもない清らかな政治を目指すという建国の理念が込められています。
この旗のデザイン自体は、四字熟語の「青天白日」を直接の由来として作られたわけではありません。
しかし、中国文化圏において「雲一つない青空と輝く太陽」という自然の情景が、いかに古くから「正義」や「清明さ」の普遍的なシンボルとして人々の心に根付いているかがわかる、非常に興味深い一致と言えます。






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