澄み渡る空に昇る朝日の輝きや、家路を急ぐ夕暮れ時の切なさ。
私たちの生活は、常に太陽の動きと共にあります。
一日の基準であり、生命の源でもある「日」は、古来より時間の経過、物事の勢い、あるいは人生の機微を象徴する言葉として大切にされてきました。
忙しなく過ぎ去る日々の中で、ふと立ち止まって大切にしたい知恵。
太陽や一日にまつわる言葉を、その意味や使われる場面ごとに整理して紹介します。
- 時間の経過・無常
- 計画・好機・タイミング
- 思い立ったが吉日(おもいたったがきちじつ)
- 一日の計は朝にあり(いちにちのけいはあしたにあり)
- 明日は明日の風が吹く(あしたはあしたのかぜがふく)
- 待てば海路の日和あり(まてばかいろのひよりあり)
- 今日の一針、明日の十針(きょうのひとはり、あすのとうはり)
- 日にち薬(ひにちぐすり)
- 努力・進歩・継続
- 日進月歩(にっしんげっぽ)
- 日就月将(にっしゅうげっしょう)
- 三日坊主(みっかぼうず)
- 一日一善(いちにちいちぜん)
- 夜を以て日に継ぐ(よをもってひにつぐ)
- 苟に日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり(まことにひにあらたに、ひびにあらたに、またひにあらたなり)
- 勢い・成功・潔白
- 旭日昇天(きょくじつしょうてん)
- 日の出の勢い(ひのでのいきおい)
- 日の目を見る(ひのめをみる)
- 白日の下に晒す(はくじつのもとにさらす)
- 青天白日(せいてんはくじつ)
- 日常生活・人間関係
- 季節・天候
- 【特集記事】
週(月・火・水・木・金・土・日)のことわざ
時間の経過・無常
過ぎ去る時間の速さや、限られた時間を惜しむ心の動きを表す言葉です。
光陰矢の如し(こういんやのごとし)
月日が過ぎ去るのは、放たれた矢が飛んでいくように非常に速いということ。
「光」は日、「陰」は月を指し、昼夜の連続、すなわち歳月を意味します。
二度と戻らない時間を無駄にしてはいけないという戒めとして、人生の節目などでよく用いられます。
秋の日は釣瓶落とし(あきのひはつるべおとし)
秋の太陽は、井戸の釣瓶(つるべ)がすとんと落ちるように、あっという間に沈んでしまうということ。
夏の長い夕暮れとは対照的な、秋特有の日暮れの早さを実感を持って描写した言葉です。
月日に関守なし(つきひにせきもりなし)
流れる月日を止めることができる関所の番人(関守)などどこにもいない。
誰の身にも平等に時間は過ぎ去り、とどめることはできないという、人生の無常や時間の尊さを説いています。
烏兎怱怱(うとそうそう)
月日が過ぎ去るのが非常に慌ただしい様子。
中国の伝説で、太陽には三本足のカラス(烏)が、月にはウサギ(兎)が住むとされたことから、太陽と月、つまり月日を表します。
計画・好機・タイミング
物事を始めるタイミングや、チャンスの捉え方に関する教えです。
思い立ったが吉日(おもいたったがきちじつ)
何かをしようと決心したら、暦の吉凶に関わらずその日を最良の日として、すぐに着手するのが良いという教え。
迷っているうちに機を逸してしまうことへの戒めでもあります。
一日の計は朝にあり(いちにちのけいはあしたにあり)
その日一日の計画は、早朝のうちに立てておくべきだということ。
何事も最初が肝心であり、事前の準備や心構えが成功の鍵を握るという教訓を含んでいます。
明日は明日の風が吹く(あしたはあしたのかぜがふく)
先のことを心配しすぎても始まらない。
明日はまた今日とは違う状況になるのだから、成り行きに任せて楽観的に生きようという考え方です。
失敗して落ち込んでいる人への励ましとしても使われます。
待てば海路の日和あり(まてばかいろのひよりあり)
今は天候が悪く出航できなくても、じっと待っていれば必ず絶好の航海日和がやってくる。
焦らずに好機を待つことの大切さを説いた言葉です。
今日の一針、明日の十針(きょうのひとはり、あすのとうはり)
今日なら一針縫うだけで済む小さなほころびも、放っておけば明日には十針縫わなければならなくなる。
わずかな手間を惜しんで問題を先送りにすると、後で大きな苦労をすることになるという戒めです。
日にち薬(ひにちぐすり)
つらい出来事や悲しみも、時間の経過とともに少しずつ和らいでいくということ。
「時が解決してくれる」という状況を、処方された薬に例えた温かい表現です。
努力・進歩・継続
日々の積み重ねや、絶え間ない向上心に関する言葉です。
日進月歩(にっしんげっぽ)
日に日に、月ごとに絶えず進歩すること。
特に世の中の技術革新や、個人の能力が目覚ましく向上する様子を指して使われます。
日就月将(にっしゅうげっしょう)
毎日、毎月のように絶え間なく学問や技芸が上達していくこと。
「日進月歩」と同様、たゆまぬ努力によって少しずつ、しかし着実に成長する姿を賞賛する言葉です。
三日坊主(みっかぼうず)
仏道修行に入っても、三日もすれば辛くなって辞めてしまう僧侶の姿から、物事が長続きせず、すぐに飽きてしまうことの例えです。
一日一善(いちにちいちぜん)
一日に一つ、小さなことでも良いから善い行いをして、徳を積もうという心がけ。
大きな目標ではなく、日々のささやかな行動の重要性を説いています。
夜を以て日に継ぐ(よをもってひにつぐ)
夜の時間を昼に繋ぎ合わせるようにして、一日中休みなく働くこと。
昼夜の区別なく何かに没頭したり、多忙を極めたりする様子を表します。
苟に日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり(まことにひにあらたに、ひびにあらたに、またひにあらたなり)
「もし今日、昨日までの古い自分を捨てて新しくなれたなら、明日も、その次も、毎日新しくあり続けよう」という意味。
中国の古典『大学』に記された言葉で、常に新鮮な気持ちで自己改革を続ける尊さを表しています。
勢い・成功・潔白
太陽のような輝かしい勢いや、曇りのない状態を表す言葉です。
旭日昇天(きょくじつしょうてん)
朝日が天に昇る時のように、その勢いがきわめて盛んであること。
新しい事業や勢力の目覚ましい躍進を祝う際などに用いられます。
日の出の勢い(ひのでのいきおい)
まさに太陽が昇ってくる瞬間の、力強く圧倒的な勢いのこと。
将来性があり、ますます発展していく様子を形容します。
日の目を見る(ひのめをみる)
長い間評価されず、埋もれていたものが、ついに世間に認められ、広く知られるようになること。
苦労が報われた瞬間を表すポジティブな表現です。
白日の下に晒す(はくじつのもとにさらす)
隠されていた悪事や秘密を、真っ昼間の太陽の下に出すように、公にすること。
青天白日(せいてんはくじつ)
雲ひとつない青空に輝く太陽。
心にやましいところが一切ないことや、疑われていた無実の罪が晴れて潔白が証明されることを意味します。
日常生活・人間関係
人々の心理や、日々の暮らしのあり様を描写する言葉です。
一日千秋(いちじつせんしゅう)
たった一日が千年のように長く感じられるほど、待ち遠しい思いが強いこと。
愛する人や待ち望んでいる出来事への切実な気持ちの例えです。
日暮れて道遠し(ひくれてみちとおし)
日はすでに暮れかかっているのに、目的地まではまだ遠い。
年を重ねて残された時間は少ないのに、なすべき仕事や目標がまだ達成できていない焦燥感や嘆きを指します。
日常茶飯事(にちじょうさはんじ)
毎日の食事(お茶やご飯)のように、ごく当たり前で、珍しくもない出来事。
陰日向なく(かげひなたなく)
人の目がある場所(日向)でも、誰も見ていない場所(陰)でも変わることなく、誠実に振る舞うこと。
表裏のない誠実な人柄を称える言葉です。
日和見(ひよりみ)
天候の変化をうかがうように、周囲の状況や形勢を観察して、自分に有利な方へ付こうとすること。
自らの信念を持たず、都合の良い方へ動く日和見主義的な態度を指します。
三日天下(みっかてんか)
権力を手中に収めていた期間が極めて短いこと。
本能寺の変の後、わずか十数日で敗れた明智光秀の史実にちなんでいます。
季節・天候
天気の移ろいや、季節感を表す日常的な表現です。
小春日和(こはるびより)
晩秋から初冬にかけて訪れる、まるで春のように暖かく穏やかな晴天のこと。
「小春」は旧暦十月の異称であり、春先に使うのは誤りです。
日足が早い(ひあしがはやい)
日が暮れるのが早いこと。
特に冬至に向かって太陽の沈む位置が低くなり、急激に辺りが暗くなる季節の変化を表現します。
日がな一日(ひがないちにち)
朝から晩まで、まる一日中。
特に何をするでもなく、ゆったりと時間を過ごすニュアンスで使われることが多い言葉です。
日頃の行い(ひごろのおこない)
普段の生活態度や行動のこと。
行事の日に晴天に恵まれた際などに「日頃の行いが良いからだ」といった形で、冗談めかして使われます。
お天道様(おてんとうさま)
太陽を敬い、神聖なものとして擬人化した呼び方。
「お天道様が見ている」という言葉は、誰が見ていなくても悪いことはできない、という自分自身の倫理観を律する戒めとして親しまれています。
【特集記事】
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