「火に油を注ぐ」「尻に火がつく」のように、私たちの生活に不可欠であると同時に、恐ろしい側面も持つ「火」は、多くのことわざや慣用句、四字熟語に使われています。火は、情熱、危険、怒り、勢い、災いなど、多彩な比喩として用いられてきました。
「火」というテーマに関連する、主なことわざや慣用句、故事成語、四字熟語などを紹介します。
「火」に関することわざ
- 熱い火箸も扱いよう(あついはしもあつかいよう):
どんなに気性が激しく扱いにくい人でも、対応次第ではうまく扱えるというたとえ。 - 遠くの火事より近くの喧嘩(とおくのかじよりちかくのけんか):
遠くの大事件より、身近な小事の方が実際には気になるというたとえ。 - 火事と喧嘩は江戸の華(かじとけんかはえどのはな):
火事や喧嘩が多いことを、江戸の町の活気の特徴として威勢よく言った言葉。 - 対岸の火事(たいがんのかじ):
川の向こう岸の火事で、自分に直接関係がなく苦痛を感じないこと。他人事。 - 灯火親しむべし(とうかしたしむべし):
秋の涼しい夜は、灯火の下での読書に適しているということ。 - 飛んで火に入る夏の虫(とんでひにいるなつのむし):
自ら進んで危険や災難の中に飛び込んでいくことのたとえ。 - 火のない所に煙は立たぬ(ひのないところにけむりはたたぬ):
噂が立つからには、必ず何らかの根拠や原因があるはずだということ。 - 火遊びは火傷のもと(ひあそびはやけどのもと):
危険なことに関わると、結局は自分がひどい目に遭うというたとえ。 - 風前の灯火(ふうぜんのともしび):
風の前の灯火のように、危険が目前に迫り、今にも滅びそうな状態のたとえ。 - 焼け石に水(やけいしにみず):
援助や努力がわずかで、効果がまったくないことのたとえ。
「火」に関する慣用句
- 口火を切る(くちびをきる):
物事を最初に言い出すこと。議論や発言のきっかけを作ること。 - 尻に火がつく(しりにひがつく):
事態が差し迫り、落ち着いていられなくなること。 - 消火に追われる(しょうかにおわれる):
次々と起こる問題やトラブルの対応、後始末に忙殺されることのたとえ。 - 水火も辞せず(すいかもじせず):
水難や火難のような、どんな困難や危険も避けない覚悟があること。 - 水火の争い(すいかのあらそい):
水と火のように、互いに性質が合わず、激しく対立し争うこと。 - 飛び火(とびひ):
事件や災難の影響が、本来関係のないところにまで及ぶこと。 - 火が付いたよう(ひがついたよう):
急に激しく泣き出したり、騒ぎ出したりするさま。 - 火が消えたよう(ひがきえたよう):
それまでにぎわっていた場所などが、急に静かになり活気がなくなるさま。 - 火がつく(ひがつく):
感情が高ぶること。情熱や意欲が燃え上がること。また、事件や騒動が始まること。 - 火種(ひだね):
火を起こす元。転じて、争いや揉め事の原因となるもの。 - 火の手が上がる(ひのてがあがる):
火事が起こること。転じて、騒動や戦闘などが始まること。 - 火の車(ひのくるま):
家計のやりくりが非常に苦しい状態のたとえ。 - 火の粉を払う(ひのこをはらう):
自分に降りかかる災難や迷惑などを追い払うこと。 - 火花を散らす(ひばなをちらす):
激しく議論したり、競争したりするさま。 - 火ぶたを切る(ひぶたをきる):
戦いや競争、議論などを開始すること。 - 火を吹く(ひをふく):
銃などが火炎を発射するさま。転じて、激しい怒りや非難を表すこと。 - 火をつける(ひをつける):
事件や騒動の原因を作ること。人の感情を煽り立てること。 - 火を消す(ひをけす):
問題や揉め事を解決すること、騒ぎを収めること。 - 火を見るよりも明らか(ひをみるよりもあきらか):
きわめて明白で、疑う余地がないことのたとえ。 - 火に油を注ぐ(ひにあぶらをそそぐ):
勢いをさらに強めること。特に、事態を悪化させること。 - 眼に火を燃やす(めにひをもやす):
激しい怒りや強い決意などを、目に力を込めて表すさま。 - 燎原の火(りょうげんのひ):
野原を焼く火のように、防ぎきれない激しい勢いのこと。
「火」に関する故事成語
- 火中の栗を拾う(かちゅうのくりをひろう):
そそのかされ、自分の利益にならないのに他人のために危険を冒すことのたとえ。 - 心頭滅却すれば火もまた涼し(しんとうめっきゃくすればひもまたすずし):
心の持ち方次第で、どんな苦難も乗り越えられるということ。 - 燃眉の急(ねんびのきゅう):
眉毛が燃えるほど火が迫っており、非常に危険が差し迫っていることのたとえ。
「火」に関する四字熟語
- 電光石火(でんこうせっか):
稲妻の光や火打石の火のように、きわめて短い時間のこと。また、行動が非常に素早いこと。 - 烽火連天(ほうかれんてん):
戦いの合図の「のろし」が天に連なるほど、戦乱が激しく続くさま。 - 炉火純青(ろかじゅんせい):
炉の火が純粋な青色になるように、学問や技術が最高の域に達し円熟すること。
「火」に関するその他の言葉
- 鬼火(おにび):
墓地などで燃えるとされる青白い火。人魂。 - 火事場泥棒(かじばどろぼう):
火事の混乱に乗じて盗みを働くこと。転じて、他人の混乱に乗じて利益を得る卑劣な行為。 - 不知火(しらぬい):
九州の八代海などで見られる蜃気楼の一種。無数の光が点滅する現象。
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