「土壇場」「砂上の楼閣」、そして「泥沼にはまる」など、日本語には「土」「砂」「泥」を使った言葉が数多く存在します。これらは、私たちの生活の基盤である「大地」そのものを構成する要素です。
大地に根ざした生活を送ってきた日本人にとって、これらは身近な存在であり、様々な教訓やたとえとして用いられてきました。
「土」「砂」「泥」、そして「大地」にまつわる、ことわざ・慣用句・四字熟語などを紹介します。
「土・砂・泥・大地」に関することわざ
- 土一升金一升(つちひとしょうかねひとしょう):
土地の価格が非常に高いことのたとえ。 - 土仏の水遊び(つちぼとけのみずあそび):
自分の最も苦手なことや危険なことに手を出し、身の破滅を招く無謀な行為のたとえ。 - 泥中の蓮(でいちゅうのはす):
悪い環境や境遇にいても、それに染まらず清らかさを保っていることのたとえ。
「土・砂・泥・大地」に関する慣用句
- 雲泥の差(うんでいのさ):
天上の雲と地上の泥ほどの、比較にならないほど大きな差があること。 - 故郷の土を踏む(こきょうのつちをふむ):
長い間離れていた故郷に帰ること。 - 砂漠に水を撒くよう(さばくにみずをまくよう):
努力や援助などがわずかで、全く効果が期待できないことのたとえ。「焼け石に水」と類義。 - 砂を噛むよう(すなをかむよう):
話や文章などが、全く面白みがなく無味乾燥であることのたとえ。 - 砂を数える(すなをかぞえる):
数えきれない砂を数えるように、無益な努力をすることのたとえ。 - 新天地(しんてんち):
新しい活動の場所。活躍の場。 - 大地を揺るがす(だいちをゆるがす):
世間全体に大きな衝撃や影響を与えること。 - 地に足がつく(ちにあしがつく):
考えや行動が堅実で、落ち着いているさま。 - 土がつく(つちがつく):
相撲で負けること。特に、それまで勝ち続けた力士が初めて負けること。 - 土壇場(どたんば):
決断や実行を迫られる、ぎりぎりの瀬戸際。 - 土足で踏み込む(どそくでふみこむ):
他人のプライバシーや心の中など、個人的な領域に無遠慮に立ち入ること。 - 土に帰る(つちにかえる):
人が死んで、その体が自然の一部である土に戻ること。 - 土性骨(どしょうぼね):
その人が持つ根性や気骨のこと。「土性骨が据わる」のように使う。 - 土俵際(どひょうぎわ):
物事の決着がつく直前の、追い詰められた状況。 - 土地勘(とちかん):
その土地の地理や事情について知識があること。 - 泥仕合(どろじあい):
互いに相手の欠点などを暴露し合い、見苦しく争うこと。 - 泥沼にはまる(どろぬまにはまる):
悪い状況や困難な問題から抜け出せなくなること。 - 泥にまみれる(どろにまみれる):
世間の苦労や汚い仕事などを経験すること。また、評判が悪くなること。 - 泥をかぶる(どろをかぶる):
自ら進んで、あるいは他人の代わりに、非難や責任、汚名などを引き受けること。 - 泥を塗る(どろをぬる):
相手の顔や名誉、功績などに、恥や汚点を着せること。 - 塗炭の苦しみ(とたんのくるしみ):
泥にまみれ、炭火で焼かれるような、非常にひどい苦しみや困難な状況のこと。 - 泥酔(でいすい):
ひどく酒に酔って、正体をなくすこと。





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