生活に欠かせない「金(かね・きん)」は、富の象徴としてだけでなく、人の性格や意志の強さ、世の中の厳しさを表す比喩として数多く使われています。
「金」という漢字が含まれることわざ、慣用句、故事成語、四字熟語を、意味やシチュエーション別に分類して網羅しました。
- 1. 人生・世の中の真理
- 金は天下の回り物(かねはてんかのまわりもの)
- 時は金なり(ときはかねなり)
- 地獄の沙汰も金次第(じごくのさたもかねしだい)
- 悪銭身につかず(あくせんみにつかず)
- 一銭を笑う者は一銭に泣く(いっせんをわらうものはいっせんになく)
- 銭ある時は鬼をも使う(ぜにあるときはきをもつかう)
- 沈黙は金(ちんもくはきん)
- 2. 人間関係・心の機微
- 金の切れ目が縁の切れ目(かねのきれめがえんのきれめ)
- 金持ち喧嘩せず(かねもちけんかせず)
- 金に目が眩む(かねにめがくらむ)
- 金蘭の契り(きんらんのちぎり)
- 一諾千金(いちだくせんきん)
- 3. 成功・栄光・目標
- 一攫千金(いっかくせんきん)
- 金的を射止める(きんてきをいとめる)
- 金字塔(きんじとう)
- 金星(きんぼし)
- 黄金時代(おうごんじだい)
- 成金(なりきん)
- 金看板(きんかんばん)
- 4. 性格・人物像
- 5. 堅固さ・確かさ
- 6. お金の使い方・損得
- 金に糸目をつけない(かねにいとめをつけない)
- 安物買いの銭失い(やすものがいのぜにうしない)
- 金がものを言う(かねがものをいう)
- 金を積む(かねをつむ)
- 金が子を生む(かねがこをうむ)
- 7. 比喩・状態
- 【特集記事】
週(月・火・水・木・金・土・日)のことわざ
1. 人生・世の中の真理
お金にまつわる世の中の仕組みや、処世術を説いた言葉です。
金は天下の回り物(かねはてんかのまわりもの)
お金は一か所に留まるものではなく、世の中を常に巡り歩いているものであるということ。今は貧乏でもいつか回ってくるという希望や、逆に今の富が永遠ではないという戒めを含みます。
時は金なり(ときはかねなり)
時間は、お金と同じくらい貴重なものだから、決して無駄にしてはいけないという教え。
(米国の政治家ベンジャミン・フランクリンの言葉 “Time is money” に由来)
地獄の沙汰も金次第(じごくのさたもかねしだい)
地獄の裁きでさえ、お金があれば手心を加えてもらえるということ。この世のことはすべてお金の力で解決できる、という冷徹な現実を風刺した言葉です。
悪銭身につかず(あくせんみにつかず)
賭け事や不正など、悪いことをして手に入れたお金は、無駄に使ってしまいやすく、結局手元には残らないということ。
一銭を笑う者は一銭に泣く(いっせんをわらうものはいっせんになく)
たかが一銭(わずかな額)だといって粗末にする者は、やがてその一銭が足りなくて困る時が来るという、倹約の教えです。
銭ある時は鬼をも使う(ぜにあるときはきをもつかう)
お金の力は絶大で、この世に存在しない恐ろしい鬼でさえも、お金さえあれば思い通りに働かせることができるというたとえ。
沈黙は金(ちんもくはきん)
雄弁であることよりも、沈黙していることのほうに価値があるということ。
(「雄弁は銀、沈黙は金」と対で使われます)
2. 人間関係・心の機微
お金が絡むと見えてくる、人間の本性や関係性の変化を表した言葉です。
金の切れ目が縁の切れ目(かねのきれめがえんのきれめ)
金銭的なつながりや援助がなくなると、それまでの人間関係や縁もぷっつりと切れてしまうということ。
金持ち喧嘩せず(かねもちけんかせず)
お金持ちは、喧嘩をすると損をしたり評判を落としたりすることを知っているため、人と争うようなことはしないということ。転じて、有利な立場にある人はむやみに争わないというたとえ。
金に目が眩む(かねにめがくらむ)
大金を前にして欲に駆られ、善悪の判断がつかなくなったり、大切なものを裏切ったりすること。
金蘭の契り(きんらんのちぎり)
きわめて親密で、固い友情で結ばれた関係のこと。
「金」のように堅固で、「蘭」のように香り高い交わりという意味。「金石(きんせき)の交わり」とも言います。
一諾千金(いちだくせんきん)
一度「よし」と承諾したことは、千金(大金)に値するほどの重みがあるということ。約束を必ず守る、信義に厚い態度のこと。
3. 成功・栄光・目標
ビジネスの成功や、輝かしい成果に関する言葉です。
一攫千金(いっかくせんきん)
一つ仕事をして、またたく間に巨額の利益や大金を手に入れること。
金的を射止める(きんてきをいとめる)
あこがれの対象や、多くの人が狙っている最高の獲物を手に入れること。
(「金的」とは、弓道で的の中心に描かれる金色の円のこと)
金字塔(きんじとう)
後世に長く残るような、優れた業績のこと。
(「金」の字の形がピラミッドに似ていることから、不滅の業績を指します)
金星(きんぼし)
相撲で平幕力士が横綱に勝つこと。転じて、格下の者が格上の相手を打ち負かす大殊勲。
黄金時代(おうごんじだい)
国、組織、あるいは個人の活動が最も栄えている全盛期のこと。
成金(なりきん)
急にお金持ちになった人のこと。
(将棋の「歩」が敵陣に入って「と金(金将と同じ動き)」に成ることに由来)
金看板(きんかんばん)
その店や組織の信用、評判のこと。また、強力な集客力を持つ中心人物や商品のこと。
4. 性格・人物像
人の性格や特徴を、金属の性質に例えた言葉です。
石部金吉(いしべきんきち)
石や金のように硬いということから、融通がきかず、極めて生真面目な人のこと。
特に、男女の情愛などを解さない堅物を指して言います。
金槌頭(かなづちあたま)
金槌のように頭が固く、融通がきかない頑固者のこと。
(水泳ができない人の「カナヅチ」とは別の意味です)
金食い虫(かねくいむし)
維持するために多くのお金を消費するだけで、利益を生まないものや人のこと。
5. 堅固さ・確かさ
金属の「硬さ」や「変わらない性質」に由来する言葉です。
金城鉄壁(きんじょうてっぺき)
金で作った城と鉄の壁のように、守りが非常に堅固で、つけ入る隙がないこと。
金剛不壊(こんごうふえ)
ダイヤモンド(金剛)のように極めて堅固で、決して壊れないこと。意志の堅さや、仏教における不滅の真理などを表します。
金科玉条(きんかぎょくじょう)
金や玉(宝石)のように大切に守るべき法律や規則のこと。
転じて、ある主義や主張を絶対的なものとして守り続ける様子(融通が利かない様子)を指します。
金輪際(こんりんざい)
仏教用語で大地の最下底を意味し、転じて「徹底的に」「断じて」「絶対に」という意味で使われます。「金輪際しない」のように強い否定を伴います。
6. お金の使い方・損得
商売や買い物における知恵や戒めです。
金に糸目をつけない(かねにいとめをつけない)
費用がいくらかかっても構わないと、惜しげもなくお金を使うこと。
(「糸目」とは凧の動きを制御する糸のことで、転じて「制限」を意味します)
安物買いの銭失い(やすものがいのぜにうしない)
安い物は品質が悪いことが多く、すぐに壊れて買い直すことになり、結局は損をするということ。
金がものを言う(かねがものをいう)
結局のところ、お金の力で物事が決まるということ。
金を積む(かねをつむ)
相手に多額のお金を渡して(あるいは提示して)、自分の要求を通そうとすること。
金が子を生む(かねがこをうむ)
持っているお金(元手)が利息や利益を生み、さらに資産が増えていくこと。
7. 比喩・状態
その他の有名な慣用表現です。
金の草鞋で探す(かねのわらじでさがす)
すり減らない鉄の草鞋(わらじ)を履いて根気強く探しまわること。
「年上の女房は金の草鞋を履いてでも探せ」のように、それほど貴重で得がたいものを探すたとえとして使われます。
(※「きんのわらじ」と読む場合もありますが、本来は金属を指す「かねのわらじ」です)
金メッキが剥げる(きんめっきがはげる)
うわべだけ立派に見せていたものが、時間の経過とともに本来の悪い姿(本性)を現すこと。「化けの皮が剥がれる」の類語です。
金縛り(かなしばり)
まるで金属の鎖で縛り上げられたように、体が動かなくなること。
金釘流(かなくぎりゅう)
曲がった古釘のような、下手な筆跡のこと。悪筆のたとえ。
【特集記事】
週(月・火・水・木・金・土・日)のことわざ
「月・火・水・木・金・土・日」に関係する有名なことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語の一覧記事です。














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