【特集】「金」に関係する有名なことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語一覧

「金」に関係する有名なことわざ 【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語

「金を積む」「金に糸目をつけない」「金の切れ目が縁の切れ目」など、日本語には「金」を使ったことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語が数多く存在します。

本記事では「金」にまつわることわざ・慣用句・故事成語・四字熟語を厳選し、意味や使い方、例文までわかりやすご紹介いたします。

「金」に関連する ことわざ

金の切れ目が縁の切れ目 (かねのきれめがえんのきれめ)

意味・教訓:
金銭的なつながりがなくなると、それまであった人間関係や男女の縁も切れてしまうということ。
金銭だけでつながっている関係の儚(はかな)さを示す。
例文:
金の切れ目が縁の切れ目というが、本当にお金がなくなると人は離れていくものだ。

地獄の沙汰も金次第 (じごくのさたもかねしだい)

意味・教訓:
地獄での審判さえ金でどうにかなるということから、この世の中ではお金の力があれば解決できないことはない、というたとえ。
金の威力の大きさを示す皮肉な言葉。
例文:
地獄の沙汰も金次第と言うけれど、お金で解決できないこともある。

金は天下の回り物 (かねはてんかのまわりもの)

意味・教訓:
お金はある人の所にじっと留まっているのではなく、常に世の中を巡っているものだから今は貧しくてもいつか自分の所にも回ってくるだろうということ。
また、今お金を持っていても、いつかなくなるかもしれないということ。
例文:
今は貧乏でも、金は天下の回り物。いつかチャンスが来るさ。

時は金なり (ときはかねなり)

意味・教訓:
時間はお金と同様に貴重なものであるから、決して無駄にしてはいけないという戒め。
“Time is money.”の訳語。
例文:
時は金なり。時間を大切に使いなさい。

悪銭身につかず(あくせんみにつかず)

意味・教訓:
盗みや賭博など、不正な手段で得たお金は、すぐに無駄遣いしてしまったりして、結局自分のものにはならないということ。
例文:
彼はギャンブルで大金を得たが、悪銭身につかずで、すぐに使い果たしてしまった。

安物買いの銭失い(やすものがいのぜにうしない)

意味・教訓:
値段が安いという理由だけで品物を買うと、品質が悪かったり、すぐに壊れたりして、結局は修理や買い替えで高くつき、損をするということ。
例文:
安物買いの銭失いにならないよう、品質をよく見てから買おう。

一銭を笑う者は一銭に泣く(いっせんをわらうものはいっせんになく)

意味・教訓:
一銭のようなわずかなお金でも、それを軽んじ馬鹿にする者は、いつかそのわずかなお金に困って泣くことになるという戒め。
小銭も大切にすべきである。
例文:
お釣りの一円玉を粗末にするなんて、一銭を笑う者は一銭に泣くよ。

銭ある時は鬼をも使う(ぜにあるときはきをもつかう)

意味・教訓:
お金さえあれば、恐ろしい鬼のような人間でも、思い通りに使うことができるということ。
お金の力の絶大さを示す言葉。
例文:
あの会社は、銭ある時は鬼をも使うというやり方で急成長したらしい。

金持ち喧嘩せず(かねもちけんかせず)

意味・教訓:
金持ちは、喧嘩をして損をすることを嫌うので、人と争うようなことはしないものだということ。
余裕のある者の振る舞いを示す。
例文:
彼はいつも穏やかだ。金持ち喧嘩せずとはよく言ったものだ。

「金」に関連する慣用句

金に糸目をつけない (かねにいとめをつけない)

意味・教訓:
金額を気にせず、お金を惜しまずに使うこと。糸目とは、凧(たこ)の糸の端につける細い糸のこと。転じて、制限や限度。
例文:
彼は趣味の車には金に糸目をつけない。

金を積む (かねをつむ)

意味・教訓:
目的を達成するために、多額のお金を差し出すこと。買収や解決のために大金を用意すること。
例文:
彼はその土地を手に入れるために、金を積んだ。

金がものを言う (かねがものをいう)

意味・教訓:
お金の力があれば、世の中のたいていのことは解決したり、思い通りになったりするということ。金の威力を示す。
例文:
この世の中、結局は金がものを言う場面が多い。

金釘流 (かなくぎりゅう)

意味・教訓:
金釘を曲げて作ったような、下手な文字のこと。悪筆のたとえ。
例文:
彼の字は金釘流で、読みにくい。

金看板 (きんかんばん)

意味・教訓:
金箔を押したり金色に塗ったりした立派な看板。転じて、店の信用や世間の評判。
また、劇団や組織などの中心となる人気役者や人物、主力商品など。
例文:
彼はこの会社の金看板だ。

成金 (なりきん)

意味・教訓:
急にお金持ちになった人のこと。
将棋で「歩」が敵陣に入って「と金(ときん)」になるように、急に成り上がった人をやや軽蔑して言う言葉。
例文:
彼は株で大儲けして、成金になった。

金にあかす(かねにあかす)

意味・教訓:
金銭の力を頼んで、思う存分に贅沢をしたり、事を有利に進めたりすること。
例文:
彼は金にあかせて、高級品を買い集めている。

金の草鞋で探す(かねのわらじでさがす)

意味・教訓:
普通の草鞋ではなく、貴重な金の草鞋を使ってでも探すということから、根気強く、熱心に人や物を探し求めることのたとえ。
例文:
行方不明のペットを、金の草鞋で探す思いで見つけ出した。

金のなる木(かねのなるき)

意味・教訓:
多くの利益や金銭を生み出す元となるもの。非常に貴重な財源。
例文:
この特許技術は、我が社にとって金のなる木だ。

金に目が眩む(かねにめがくらむ)

意味・教訓:
お金に目がくらんで、正しい判断力を失い、良心に反するような行動をとってしまうこと。
例文:
金に目が眩んで、友人を裏切るなんて許せない。

「金」に関連する故事成語

金蘭の契り (きんらんのちぎり)

意味・教訓:
金のように固く、蘭のように香りの良い交わりということから、非常に親密で固い友情、契りのこと。
『易経』の「二人の心を同じくすれば、其の利きこと金を断ち、同心の言は、其の香り蘭の如し」という言葉に基づく。
例文:
彼らとは金蘭の契りを結んでいる。

一諾千金(いちだくせんきん)

意味・教訓:
一度承諾したことは、千金にも値するほど重いということ。
約束は絶対に守らなければならない、という固い意志を示す言葉。秦の季布が約束を重んじたという故事から。
例文:
彼の「やる」という言葉は一諾千金だ。必ず実行するだろう。

「金」に関連する四字熟語

金科玉条(きんかぎょくじょう)

意味・教訓:
金や玉のように最も大切で、絶対的な価値を持つ法律や規則のこと。
また、この上なく大切に守るべき重要な決まりごと。
例文:
彼は、規則を金科玉条として守っている。

一攫千金 (いっかくせんきん)

意味・教訓:
一度に、たやすく大きな利益や大金を手に入れること。
「攫」はわしづかみにする意。「一攫」で一度つかむこと。
例文:
彼は宝くじで一攫千金を夢見ている。

一擲千金(いってきせんきん)

意味・教訓:
一度に千金もの大金を投げ出すように、豪快にお金を使うこと。また、大きな賭けに出ること。
例文:
彼はカジノで一擲千金の勝負に出た。

金甌無欠(きんおうむけつ)

意味・教訓:
金で作られた貴重な瓶(かめ)に傷一つないように、完全で全く欠点や隙がないことのたとえ。
主に、国の守りが非常に堅固であることを言う。
例文:
我が国の守りは金甌無欠だと信じたい。

金城鉄壁(きんじょうてっぺき)

意味・教訓:
金で作った城と鉄でできた壁のように、守りが非常に堅固で付け入る隙がないことのたとえ。
例文:
この城は金城鉄壁の守りを誇っている。

まとめ – 「金」が映し出す人の欲と社会

「金」にまつわる言葉は、その力の大きさ(地獄の沙汰も金次第、金がものを言う)と、それによって動かされる人の心や社会の現実を鋭く映し出しています。
「金の切れ目が縁の切れ目」と人間関係の儚さを語る一方で、「金は天下の回り物」と希望や無常観も示します。

お金の使い方に関しても、「金に糸目をつけない」豪快さから、「安物買いの銭失い」という倹約の失敗、「悪銭身につかず」と不正な金への戒めまで様々です。
また、「時は金なり」と時間の大切さを説き、「金蘭の契り」のように友情の固さを金にたとえる表現もあります。

これらお金に関する言葉は、私たちがお金とどう向き合い、その力に振り回されずに生きていくべきか、多くの示唆を与えてくれます。


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