意味
「火遊びは火傷のもと(ひあそびはやけどのもと)」とは、危険なこと、特に不倫や浮気などの不適切な男女関係に不用意に手を出すと、後で大きな痛手を受けるという意味です。
危険を伴う情事や投機などを「火遊び」に、それによって引き起こされる社会的信用の失墜や家庭崩壊などの代償を「火傷」にたとえています。
語源・由来
「火遊び」には、火をおもちゃにして遊ぶこと(火いたずら)のほかに、危険な遊び、特に無分別なその場限りの情事という意味があります。
「火遊びは火傷のもと」は、火いたずらをすれば火傷をするという成り行きを、危険な遊びや情事の代償に重ねた言葉です。
使い方・例文
「火遊びは火傷のもと」は、リスクを軽視している人への忠告や戒めの場面で使われます。
- 軽い気持ちでも不倫は身を滅ぼしかねない。火遊びは火傷のもとだ。
- 怪しい投資話には乗るな、火遊びは火傷のもとだ。
使用上の注意点
この言葉は、当事者がその行為を「本気ではなく、ただの遊びである」と軽く考えている状況に対して使用します。
相手がリスクを覚悟して真剣に取り組んでいる物事や、本気の恋愛に対して使用すると、不適切な表現となる場合があるため注意が必要です。
類義語・関連語
「火遊びは火傷のもと」と似た意味を持つ言葉には、以下のものがあります。
- 君子危うきに近寄らず(くんしあやうきにちかよらず):
教養があり徳のある人は、自分の身を慎んで危険な物事には決して近づかない態度。 - 触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし):
自分から余計な手出しや関わりを持たなければ、災いを招くことはないという方針。 - 身から出た錆(みからでたさび):
自分自身の犯した悪行や過ちの結果として、自分自身が苦しむ状況に陥る状態。 - 自業自得(じごうじとく):
自分の行った行為の報いを、他でもない自分自身が受ける結果。 - 飛んで火に入る夏の虫(とんでひにいるなつのむし):
明るい火に向かって飛ぶ虫のように、自分から進んで危険や災難の中に飛び込んでいく行動。
英語表現
If you play with fire, you get burned
直訳:火で遊べば、火傷をする
意味:危険なことに関われば必ず傷つく結果になるという警告
Don’t cheat on her. Remember, if you play with fire, you get burned.
(彼女を裏切るのはやめなさい。いいですか、火遊びは火傷のもとですよ。)
Get one’s fingers burned
直訳:指を火傷する
意味:危険なことに首を突っ込んで手痛い失敗や損害を被る状態
He got his fingers burned in the stock market.
(彼は株式投資で火遊びは火傷のもとと言える手痛い損害を受けました。)
「火遊びは火傷のもと」に似た火に入る蛾、梁書では熱意のたとえ
類義語に挙げた「飛んで火に入る夏の虫」と同じく、蛾が火に飛び込むさまを言う句が、唐の時代に編まれた中国の歴史書『梁書』の到漑伝に出てきます。
梁の武帝が到漑に贈った連珠(短い美文)に、次の句があります。
研磨墨以騰文,筆飛毫以書信,如飛蛾之赴火,豈焚身之可吝。
(墨を磨って文を綴り、筆を走らせて書をしたためることは、蛾が火に飛び込むようなもので、身を焼くことなど惜しみはしない)
『梁書』の句は、文章に打ち込む姿を、身を焼くのも惜しまず火に向かう蛾にたとえたもので、愚かさを笑う言葉ではありません。
日本では古く「愚人は夏の虫、飛んで火に入る」の形で使われ、明治期以降にほぼ現在の形になりました。
「火遊びは火傷のもと」と同じ「火」の比喩を使う言葉でも、意味合いは時代とともに変わってきました。










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