意味
「去り跡へは行くとも死に跡へは行くな(さりあとへはゆくともしにあとへはいくな)」とは、後妻に入るならば、先妻が離縁されて去った家へ行くのは良いが、先妻と死別した家へ行くのは避けたほうがよいという教訓です。
離縁して去った人の場合、周囲に不満や問題が残っていることが多く、新しく来た者は歓迎されやすい傾向にあります。
対して死別した人の場合、遺族や周囲の中で故人の思い出が美化され、欠点が忘れられがちです。
そのため、後妻は常に「亡くなった人は立派だった」という理想像と比較され続け、精神的な苦労が絶えないことを示唆しています。
語源・由来
「去り跡」は先妻が離縁されて去ったあと、「死に跡」は先妻が亡くなったあとを指します。
死別した妻は、その美点が家の人々の記憶にまだ残っているため、後から嫁いだ人が比べられてやりにくい、というところから言われる言葉です。
「往に跡へ行くとも死に跡へ行くな」という形もあります。
使い方・例文
「去り跡へは行くとも死に跡へは行くな」は、再婚の話、とくに後妻に入る縁談が持ち上がったときの現実的な助言として使われます。
例文
- 亡き先妻を慕う家庭への再婚に、去り跡へは行くとも死に跡へは行くなが浮かぶ。
- 先妻を病気で亡くした人との縁談に、祖母は去り跡へは行くとも死に跡へは行くなと言って首を縦に振らなかった。
- 去り跡へは行くとも死に跡へは行くなというが、亡くなった奥さんと比べられる覚悟はあるのかと姉に聞かれた。
誤用・注意点
「去り跡へは行くとも死に跡へは行くな」は、亡くなった人やその遺族を侮辱する意図で使うものではありません。
あくまで「後から嫁ぐ側の苦労」を推察する言葉です。
そのため、死別を経験した当事者やその家族の前で不用意に口にするのは、非常に配慮に欠ける行為となります。
また、「去り跡(離縁の後)」なら必ず幸せになれるという意味でもありません。
周囲の評価のスタートラインが「負」であるか「理想」であるかという、心理的条件の違いを説いているに過ぎない点に留意が必要です。
類義語・関連語
「去り跡へは行くとも死に跡へは行くな」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 往に跡へ行くとも死に跡へ行くな(いにあとへゆくともしにあとへゆくな):
「去り跡」を「往に跡」と言う形で、意味は同じ。









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