意味
「火のない所に煙は立たぬ(ひのないところにけむりはたたぬ)」とは、噂が立つのは、そのもとになる何らかの事実があるからだという意味です。
噂とその原因の関係を、火がなければ煙が上がらないことにたとえています。
また、そこから転じて「怪しい噂が流れるのは、本人の行動に何かしら問題があるからだ」という教訓的なニュアンスで用いられることもあります。
語源・由来
この言葉は、西洋から伝わった表現と考えられています。
英語には “There is no smoke without fire” という同じ発想のことわざがあります。
使い方・例文
- 二人が仲違いしたという話が出ている。
火のない所に煙は立たぬと言うから、何かあったのだろう。 - 今回の移籍騒動も、火のない所に煙は立たないと言うし、何か話は進んでいるのだろう。
- 覚えがない中傷でも、火のない所に煙は立たないと言われるのが世間の常だ。
誤用・注意点
この言葉を使う際には、「噂=真実」と決めつけてしまわないよう注意が必要です。
この言葉は、あくまで何らかのきっかけ(火)があったはずだと述べているに過ぎません。
煙が風で大きく流されたり、実際の火よりも巨大に見えたりするように、小さな事実が噂の中で大きく膨らむことがあります。
また、誤解や作り話から、もとの事実がないまま噂が生まれる事実無根の場合もあります。
また、相手の落ち度を責めるニュアンスが強いため、無実の罪を訴えている人に対して使うと、相手を追い詰めてしまう可能性があります。
類義語・関連語
この言葉と似た意味を持つ言葉には、次のものがあります。
- 蒔かぬ種は生えぬ(まかぬたねははえぬ):
原因がなければ結果は生じないことのたとえで、努力なしに成果は得られないという意味でも使う言葉。
なお、「噂をすれば影」は、本人が現れるという偶然を指すため、因果関係を説くこの言葉とは異なります。
対義語
反対に、噂に根拠がないことを表す言葉に、次のものがあります。
- 根も葉もない(ねもはもない):
噂の根拠となる事実が一切存在しないこと。
英語表現
英語では、次の言い方があります。
Where there’s smoke, there’s fire
「煙があるところには火がある」
日本語と全く同じ発想の定型表現。
People say he’s resigning. Where there’s smoke, there’s fire.
(彼が辞めるという噂だ。火のない所に煙は立たぬと言うからね。)
幕府復刻の英語入門書(1857年)に載っていた「No smoke without fire」
江戸幕府が安政4年(1857年)に復刻した英語の入門書に “No smoke without fire.” が収められており、日本語のこの言葉は、その訳として広まったとみられています。
明治後期には、ほぼ現在の形で定着していました。














コメント
[…] 立たぬ」とは、全く根拠がなければ噂は立たないという意味です。(ことわざディクショナリ から引用url:「火のない所に煙は立たぬ」の意味とは?使い方・例文・誤用、類語を解説) […]