意味
「噂をすれば影が差す(うわさをすればかげがさす)」とは、誰かの噂をしている最中に、まさにその当人がひょっこり姿を見せるという意味です。
ここでいう「影」は人の姿を、「差す」はその姿がふっと現れる様子を表しており、まるで噂が本人を呼び寄せたかのような状況を言い表しています。
語源・由来
略して「噂をすれば影」とも、「噂を言えば影が差す」とも言います。
古い記録では、安土桃山時代のことわざ集『北条氏直時分諺留』に「噂言えば主来る(噂をすれば当人が来る)」という形で書き留められています。
江戸時代には、ことわざ辞典『譬喩尽』(1786年の序文)に見られるほか、戯作者・式亭三馬の滑稽本『浮世床』(文化年間)にも「噂をすれば蔭がさすだ」という用例があります。
使い方・例文
「噂をすれば影が差す」は、話題にしていた人物が予期せずその場に現れたという場面で使われます。
- 友人の話をした途端に店のドアが開き、まさに噂をすれば影が差すだ。
- 先生の噂話をしていたら背後から声が聞こえ、噂をすれば影が差すを実感する。
- 両親について妻と案じていたところへ電話が鳴り、噂をすれば影が差すと驚く。
類義語・関連語
「噂をすれば影が差す」と似た意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。
- 呼ぶより謗れ(よぶよりそしれ):
わざわざ人を呼ぶよりも、その人の悪口を言っている方が早く本人が現れるという状況。 - 謗れば影さす(そしればかげさす):
人の悪口を言っていると、ちょうどその人が現れるということ。
英語表現
Speak of the devil
直訳は「悪魔の話をすると」で、噂をしていた当人が現れた状況を表します。
We were just talking about you. Speak of the devil.
(ちょうど君の話をしていたところです。噂をすれば影が差すですね。)
噂をすれば、英語は悪魔・中国は曹操
噂をすると当人が現れるという言い回しは外国にもあります。
ただ、多くの場合、そこで現れるのは人ではなく、悪魔や狼、虎といった恐ろしいものです。
英語の Speak of the devil は、略さずに言うと Speak of the devil and he will appear(悪魔の話をすると悪魔が現れる)です。
フランスなどでは狼の尾が見えると言い、朝鮮半島では虎が現れると言います。
中国語では「説曹操,曹操就到(曹操の話をすると曹操が来る)」と言い、こちらは日本と同じく人が現れます。
現れるのは、三国時代の武将・曹操です。
悪魔や狼、虎の名は、口にすると本当に呼び寄せて災いを招くと信じられ、なるべく口に出さないようにされてきました。
悪魔や獣が現れる言い回しには、その恐れの名残が見えるといわれます。











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