明日は明日の風が吹く

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ことわざ
明日は明日の風が吹く
(あしたはあしたのかぜがふく)

13文字の言葉」から始まる言葉

「今日失敗してしまったから、明日もきっとうまくいかないだろう」と、先の見えない不安に押しつぶされそうになる夜があります。
しかし、いくら今日のうちに悩んだところで、やってくる未来の天気を変えることはできません。
そんな凝り固まった心を解きほぐし、成り行きに任せる勇気をくれる言葉が、
明日は明日の風が吹く」(あしたはあしたのかぜがふく)です。

意味・教訓

「明日は明日の風が吹く」とは、先のことを案じても始まらないので、成り行きに任せて楽観的に生きるのがよいという意味です。

今日がどんなに苦しくても、明日はまた今日とは違う状況がやってくる。
失敗して落ち込んでいる自分を励ましたり、過度な心配をしている他者の緊張を和らげたりする際に、しなやかな強さを込めて使われます。

語源・由来

「明日は明日の風が吹く」の語源は、古くから庶民の間で使われていた言い回しに遡ります。

明確な一つの古典が出典というわけではありませんが、幕末1865年に初演された河竹黙阿弥作の歌舞伎『上総木綿小紋単地』の中にこの表現が登場しており、少なくとも江戸時代後期には一般的な表現として定着していたことが分かります。
人間の力では制御できない「風」を「運命」や「事態の推移」に見立てる感性から生まれました。

また、現代においてこの言葉が広く知られている背景には、名作映画の影響があります。マーガレット・ミッチェルの小説を原作とした映画『風と共に去りぬ』で、主人公スカーレット・オハラが最後に放つセリフの原語 “Tomorrow is another day.” の日本語訳として「明日は明日の風が吹く」が用いられ、一躍有名になりました。

使い方・例文

「明日は明日の風が吹く」は、深刻な悩みに対して「今は休もう」と切り替える時や、努力を尽くした後に結果を待つ場面で使われます。

  • テストの手応えは最悪だったけれど、終わったことを悔やんでも仕方ない。「明日は明日の風が吹く」と切り替えて、今日は早く寝よう。
  • どれだけ準備を重ねても本番への不安は尽きないが、最後は「明日は明日の風が吹く」という心持ちで挑むことにした。

映画での引用

この言葉のイメージを決定づけた、最も有名な引用です。

『風と共に去りぬ』(マーガレット・ミッチェル原作・1939年)

南北戦争によって家も愛する人も失い、絶望の淵に立たされたスカーレット・オハラが、ラストシーンで再起を誓いながら言い放つ言葉です。
原語は “Tomorrow is another day.”
日本語版ではこれが「明日は明日の風が吹く」と訳され、希望の言葉として日本人の心に深く刻まれました。

「結局のところ、明日は明日の風が吹くのだわ。」

類義語・関連語

「明日は明日の風が吹く」と似た意味を持つ言葉には、希望や現状維持を説く表現があります。

  • 明日のことは明日案ぜよ(あしたのことはあしたあんぜよ)
    明日には明日の苦労があるのだから、今日から余計な心配をすべきではないという教訓。
  • 待てば海路の日和あり(まてばかいろのひよりあり)
    今は状況が悪くても、じっと待っていれば必ず幸運な機会(日和)が巡ってくること。
  • 沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり(しずむせあればうかぶせあり)
    人生には悪い時もあれば、必ず良い時もやってくるという巡り合わせ。

対義語

「明日は明日の風が吹く」とは対照的な意味を持つ言葉は、徹底した準備と用心を促すものです。

  • 転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ)
    失敗しないように、前もって十分な準備をしておくことの例え。
  • 石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)
    非常に強固な石橋でさえ叩いて確かめるように、慎重に慎重を期して物事を行うこと。
  • 備えあれば憂いなし(そなえあればうれいなし)
    日頃から準備を整えておけば、いざという時に心配することがない。

英語表現

「明日は明日の風が吹く」を英語で表現する場合、以下のフレーズがネイティブの間で一般的に使われます。

Tomorrow is another day.

意味:明日はまた別の日だ

  • 例文:
    Don’t cry over spilt milk. Tomorrow is another day.
    済んだことを嘆いても仕方ない。明日は明日の風が吹くよ。

Tomorrow will take care of itself.

意味:明日のことは明日が面倒を見てくれる
新約聖書(マタイによる福音書)に由来し、将来への過度な心配を諫める由緒ある格言です。

  • 例文:
    Plan for the future, but remember that tomorrow will take care of itself.
    将来の計画は立てつつも、明日は明日の風が吹くことも忘れないで。

「風」が象徴するもの

このことわざで「明日の天気」ではなく「明日の」と表現されているのには、理由があります。

風は自分の力でどうにかできるものではありません。
止めることも、呼び込むこともできない。
それでも、昨日と同じ風が吹き続けるとは限らない。

「明日は明日の風が吹く」という言葉の核心は、そこにあります。
今日の苦しさがそのまま続くわけではない、という変化への静かな信頼です。
嵐のような一日を過ごした後でも、明日はまた違う風が吹く。
それだけで、もう少し先へ進む気になれることがあります。

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