一日一善

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四字熟語
一日一善
(いちにちいちぜん)

8文字の言葉」から始まる言葉

誰かのために何か良いことをすると、自分の心まで温かく、晴れやかな気持ちになるものです。
日々の生活の中で、そんな小さな善意の積み重ねを大切にしようという心がけを、
「一日一善」(いちにちいちぜん)と言います。

意味

「一日一善」とは、「1日に1つ、何か良い行いをすること」、またはそうあるように努めるべきだとする教えのことです。

ここでの「善」とは、自己犠牲を伴うような大きな偉業だけを指すわけではありません。
道に落ちているゴミを拾う、電車で席を譲る、笑顔で挨拶をするなど、誰にでもできる身近な親切や良い行動のすべてが含まれます。

  • 一日(いちにち):毎日、その日その日。
  • 一善(いちぜん):1つの良い行い。

語源・由来

「一日一善」は、中国の古典などに由来する四字熟語ではなく、近代になってから日本で定着した言葉です。
その背景には、主に2つのルーツがあります。

一つは、ボーイスカウトの教えです。
ボーイスカウトの創始者であるロバート・ベーデン=パウエルは、スカウト(隊員)の掟の一つとして「日日の善行(Do a Good Turn Daily)」を掲げました。
これは「毎日、少なくとも1つは誰かの役に立つことをしなさい」という教えであり、これが日本語訳として「一日一善」と表現され、教育現場などを通じて広まりました。

もう一つは、昭和時代のテレビCMによる普及です。
かつて日本船舶振興会(現・日本財団)が放映していたCMの中で、社会奉仕活動家の笹川良一氏が子供たちと共に「一日一善!」と声を合わせるシーンが長期間にわたり放送されました。
この印象的なフレーズによって、子供から大人まで広く知られる国民的な合言葉として定着しました。

使い方・例文

「一日一善」は、個人の座右の銘や、学校・家庭でのスローガンとして使われることが多い言葉です。
他人に「やりなさい」と強制するものではなく、あくまで「自発的な心がけ」として使うのが基本です。

例文

  • 今年の目標は「一日一善」だ。まずは毎朝のゴミ拾いから始めようと思う。
  • 「一日一善」のつもりで席を譲ったら、相手にとても喜んでもらえて嬉しかった。
  • 祖母は「一日一善」を口癖にしていて、近所の人への親切を欠かさない人だった。

類義語・関連語

「一日一善」と同じく、善い行いを推奨する言葉には以下のようなものがあります。

  • 情けは人の為ならず(なさけはひとのためならず):
    人に親切にすることは、巡り巡って自分のためにもなるということ。
    「情けをかけるのはその人のためにならない」という意味で使うのは誤り。
  • 陰徳陽報(いんとくようほう):
    人知れず良い行いを積めば、必ず目に見える良い報いとなって返ってくるということ。
  • 積善の家には余慶あり(せきぜんのいえにはよけいあり):
    善行を積み重ねている家(人)には、子孫の代まで良いことが及ぶという教え。
    『易経』にある言葉。

英語表現

「一日一善」を英語で表現する場合、由来となったボーイスカウトの標語や、直訳的な表現が使われます。

Do a Good Turn Daily

  • 意味:「毎日、誰かの役に立つことをせよ」
  • 解説:ボーイスカウトのスローガンそのものです。「Good Turn」は「回転」ではなく、「親切な行為」を指す慣用句です。

Do a good deed a day

  • 意味:「1日に1つ善い行いをせよ」
  • 解説:最も一般的で分かりやすい表現です。「deed」は「行い」を意味します。
  • 例文:
    My motto is to do a good deed a day.
    (私の座右の銘は一日一善です。)

世界に伝わる「アンノウン・スカウト」の逸話

この言葉のルーツとも言えるボーイスカウトには、「一日一善」の精神を象徴する有名なエピソードがあります。

1909年のロンドン。濃い霧の中で道に迷っていたアメリカ人実業家を、ある一人の少年が案内しました。
実業家がお礼を渡そうとすると、少年は敬礼をしてこう言ったそうです。
「僕はボーイスカウトです。一日一善(日日の善行)をしただけですから、お礼は要りません

この名もなき少年(アンノウン・スカウト)の行動に感動した実業家は、すぐにアメリカへボーイスカウト運動を伝え、それが現在の巨大な組織へと発展するきっかけとなりました。
たった一つの無償の親切が、歴史を動かした実話として語り継がれています。

まとめ

「一日一善」は、1日に1回、小さな親切を積み重ねていこうというポジティブな言葉です。

大きな成功や派手な活躍ではなくとも、誰かのために動いたという事実は、確かな自信となり、自分自身の心を豊かにしてくれます。
日々の生活の中で、ふとこの言葉を思い出すことで、周囲への優しい眼差しを持つきっかけになることでしょう。

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