意味
「日常茶飯事(にちじょうさはんじ)」とは、特別なことは何もなく、日々ふつうに起こる出来事のことです。
略して「茶飯事」だけでも同じ意味で使います。
- 日常(にちじょう):日頃。普段。
- 茶飯事(さはんじ):お茶を飲みご飯を食べるような、ごくありふれたこと。
語源・由来
「日常茶飯事」は、「日常茶飯」に「事」を付けた形です。
「日常茶飯」はもともと毎日の食事のことで、そこから毎日のありふれた事柄を指すようになりました。
同じ意味の言葉に「家常茶飯(かじょうさはん)」があります。
家庭での日常の食事から転じて、あたりまえのこと、ありふれたことを表します。
使い方・例文
「日常茶飯事」は、ちょっとしたハプニングや面倒な出来事に対して、「よくあることだから気にしていない」という達観や諦めの気持ちを込めて使われます。
- この路線で電車が遅れるのは日常茶飯事だ。
- 幼い兄弟の喧嘩など我が家では日常茶飯事である。
- ベンチャー企業では、急な仕様変更が日常茶飯事だ。
使う際の注意点
あくまで「ありふれた、珍しくないこと」を指す言葉です。
たとえ頻繁に起きている事実であっても、命に関わるような重大な事態に対して使うと、「感覚が麻痺している」「不謹慎だ」と受け取られかねません。
類義語・関連語
「日常茶飯事」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 家常茶飯(かじょうさはん):
家庭での日常の食事から転じて、ありふれたこと。
意味は同じだが、現代の日常会話ではあまり使われない。 - 月並み(つきなみ):
平凡でありふれていること。新鮮味がないこと。 - お決まり(おきまり):
いつも同じやり方やパターンであること。恒例。 - ざら:
普通にあって珍しくないこと。
「そんなことはざらにある」のように使う。
対義語
「日常茶飯事」とは対照的な意味を持つ言葉は以下の通りです。
- 前代未聞(ぜんだいみもん):
これまでに聞いたこともないような、非常に珍しい大きな出来事。 - 未曾有(みぞう):
今までに一度も起こったことがないような、非常に珍しいこと。 - 異例(いれい):
今までの例にないこと。前例のない変わったこと。
英語表現
「日常茶飯事」を英語で表現する場合、日々の出来事や慣習を意味する表現が使われます。
everyday occurrence
意味:毎日の出来事、よくあること
Power outages are an everyday occurrence in this village.
(この村では停電は日常茶飯事だ。)
common practice
意味:一般的な慣習、当たり前のこと
Overtime work is common practice in this industry.
(この業界では残業は日常茶飯事だ。)
茶で炊いた奈良茶飯、江戸の料理茶屋の祖に
「日常茶飯事」の「茶飯」は、茶を飲み飯を食べる毎日の食事のことです。
一方、江戸時代には、茶で炊いた飯そのものも「茶飯」と呼ばれました。
その代表が「奈良茶飯」です。
茶を煮出した汁に塩を加えて米を炊いたもので、炒った大豆などを混ぜることもあります。
奈良の東大寺や興福寺の僧坊で始まったといわれ、そこから「奈良」の名が付きました。
明暦の大火(1657年)の後、浅草に、この奈良茶飯に豆腐汁や煮豆などを添えて出す店ができます。
珍しがった江戸の人々が詰めかけ、この店は料理茶屋の祖とされています。

楽しみのために外で食事をすることがまだ珍しかった時代で、奈良茶飯の店は日本の外食の古い例に数えられています。
ありふれた毎日を指す「茶飯」と同じ名の料理が、江戸では珍しがられて人を集めたわけです。














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