意味
「一日の計は朝にあり(いちにちのけいはあさにあり)」とは、その日の段取りは、一日が始まる朝のうちに決めておけという教えです。
「計」は計画・はかりごとのことで、一日に限らず、何事も始めに見通しを立てておくことが大切だという意味にも広げて使われます。
単に「朝早く起きれば良い」という時間的な早さを勧めるだけでなく、物事の始まりにおいて準備や心構えを整えることの重要性を説いています。
語源・由来
この言葉の由来は、中国の明の時代に馮應京が著した『月令広義』(= 月ごとの行事や風物を記した書物)の一節にあるとされています。
そこには「一日の計は晨にあり、一年の計は春にあり」とあり、一日の計画は夜明けに、一年の計画は春に立てるものだと説いています。
「晨」は夜明けどきのことです。
日本では、戦国時代の武将・毛利元就の言葉としても、「一年の計は春にあり、一月の計は朔にあり、一日の計は鶏鳴にあり」という形が伝わっています。
「鶏鳴」は一番鶏が鳴く夜明けどきのことで、ここでも一日の計は夜明けに立てるものとされています。
使い方・例文
この言葉は、自分を戒めて朝の時間の使い方を見直すときのほか、子どもや後輩に計画的な行動を促すときにも使われます。
例文
- 宿題を早く終わらせるため、一日の計は朝にありと毎朝机に向かった。
- 一日の計は朝にありだ。コーヒーを飲みながら今日の予定を整理しよう。
- 初日に遅刻した彼に、先生は「一日の計は朝にありだよ」と優しく諭した。
- 一日の計は朝にありの精神で、始業前の10分で予定を確認する。
類義語・関連語
「一日の計は朝にあり」と似た意味を持つ言葉には、物事の始まりや準備の重要性を説くものが多くあります。
- 一年の計は元旦にあり(いちねんのけいはがんたんにあり):
一年の計画は一年の始まりである元旦に立てるべきであるということ。 - 早起きは三文の徳(はやおきはさんもんのとく):
朝早く起きると、健康や仕事の効率など何かしら良いことがあるということ。
対義語
「一日の計は朝にあり」とは対照的な意味を持つ言葉は、準備を怠った結果として慌てる様子を指すものが中心です。
- 泥縄(どろなわ):
物事が起きてから慌てて準備を始めること。「泥棒を捕らえて縄をなう」の略。
英語表現
英語では、物事の始まりの大切さを説く次の表現が近い意味になります。
A good beginning makes a good ending
直訳は「良い始まりが良い結末を作る」で、物事のスタートがうまくいけば結果も良くなるという、日本語の教訓に非常に近いニュアンスの表現。
Remember, a good beginning makes a good ending. Let’s plan carefully.
(「良い始まりが良い結末を作る」と言うだろう。慎重に計画を立てよう。)
『月令広義』では、一日と一年の計に一生と一家の計が続く
「一日の計は朝にあり」のもとになったとされる『月令広義』の一節は、一日と一年の計に続けて、「一生の計は勤にあり(一生の計画は勤勉であることにある)」「一家の計は身にあり」と説いています。
原文は一日・一年・一生・一家の四つを並べており、この四つを合わせて「四計」と呼びます。
四計については、以下の記事にもまとめています。












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