「新年・正月」に関することわざ・慣用句・故事成語・四字熟語一覧|意味と由来

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【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語

カレンダーをめくり、新しい空気が満ちる朝。
清々しい気持ちで背筋を伸ばし、今年一年の目標を立てる。
日本には、こうした「新年・正月」の節目にふさわしい言葉が数多く受け継がれている。
古くから伝わる知恵や教訓は、私たちが新しい一歩を踏み出す際の確かな道標となる。

もくじ
  1. 新しい志と再出発
  2. 福を呼び、幸を願う
  3. 時の流れと戒め
  4. 使い方・例文
  5. 類義語・関連語
  6. 英語表現
  7. 「一富士二鷹三茄子」の続き:四五六
  8. まとめ

新しい志と再出発

新しい年の始まりは、心機一転して目標を定める絶好の機会。
決意を新たにする場面で使いたい言葉を整理する。

一年の計は元旦にあり(いちねんのけいはがんたんにあり)

物事を始めるにあたっては、最初にしっかりとした計画を立てることが肝心である。
何事もスタートが最も重要であり、元日にその年の計画を立てるべきだという教訓。

中国の明時代の書物『月令広義』にある「一日の計は晨にあり、一年の計は春にあり」という記述が由来とされる。
「春」は旧暦の正月を指す。
また、日本の戦国武将・毛利元就が子に説いた言葉「一年の計は春にあり、一月の計は朔にあり、一日の計は鶏鳴にあり」としても広く知られている。

心機一転(しんきいってん)

ある出来事をきっかけにして、これまでの気持ちをすっかり良い方向へ入れ替えること。
新年という節目に、過去の失敗や悩みを取り払い、前向きな気持ちで再出発する様子を表す。

「心機」は心の働きやきっかけを意味する。
単に気分を変えるだけでなく、内面から意識が大きく転換し、行動や態度が改まる際に用いられる。

一陽来復(いちようらいふく)

冬が終わり春が来ること。
転じて、長く苦しい不遇の時期が過ぎ去り、ようやく幸運が巡ってくることを指す。

もともとは易経の言葉で、陰の気が極まった後に陽の気が戻ってくる冬至を意味する。
新年を迎え、これから運気が上向いていくという希望を込めて使われる。

初心忘るべからず(しょしんわするべからず)

物事を始めたばかりの謙虚な気持ちや、未熟だった頃の志をいつまでも忘れてはならない。
年頭に立てた目標が、日が経つにつれて揺らがないよう戒める言葉。

能楽を大成させた世阿弥が、その著書『花鏡』に記した言葉。
「初心」とは単に始めた頃の気持ちだけでなく、新しい事態に直面した時の「対応力」や「未熟さ」を指す深い意味が含まれている。

勇往邁進(ゆうおうまいしん)

自分の目的や目標に向かって、恐れることなく真っ直ぐに突き進むこと。
迷いを捨て、強い意志で行動する様子を表す。

「勇往」は勇んで行くこと、「邁進」は勇ましく前進することを意味する。
新年の抱負として、力強い決意を表明する際にふさわしい四字熟語。

福を呼び、幸を願う

正月は、一年が良い年であるようにと縁起を担ぐ時期。
幸福や福徳にまつわる言葉を整理する。

笑う門には福来たる(わらうかどにはふくきたる)

いつもにこやかに笑っている人の家には、自然と幸福が巡ってくる。
新年を明るい笑顔で迎えれば、素晴らしい一年になるという教訓。

悲しいことや苦しいことがあっても、意識的に明るく振る舞うことの大切さを説いている。
江戸いろはかるたの読み札として採用されたことで、日本人の間に広く定着した。

一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)

初夢に見ると縁起が良いとされるものを、順に並べた言葉。
一に富士山、二に鷹、三に茄子(なす)を指す。

由来には諸説あるが、徳川家康が好んだ駿河の名物(富士山、愛鷹山、初茄子)を並べたという説が有力。
また、富士は「不死・無事」、鷹は「高い・貴い」、茄子は「成す」という言葉遊びから縁起物とされた。

松竹梅(しょうちくばい)

めでたいことの象徴とされる三つの植物の組み合わせ。
慶事や正月の装飾によく用いられる。

冬の寒さに耐えて緑を保つ「松」、真っ直ぐに伸びる「竹」、寒さの中でいち早く花を咲かせる「梅」。
中国の「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」が起源であり、これらがいずれも「清廉潔白」や「不屈の精神」を象徴することから、縁起の良いものとされるようになった。

鶴は千年、亀は万年(つるはせんねんかめはまんねん)

寿命が長く、非常にめでたいことの例え。
新年において、家族の健康や長寿を願う際によく使われる言葉。

中国の伝説上の仙人が鶴や亀に乗っていたことや、その長命な生態から吉祥の象徴とされた。
実際の寿命とは別に、永遠や長久を祝う定型句として用いられる。

時の流れと戒め

正月という節目は、改めて時間の貴重さを実感させる。
時の経過や、人生の重みを伝える言葉。

光陰矢の如し(こういんやのごとし)

月日が過ぎ去るのは、放たれた矢のように非常に早い。
一度過ぎた時間は二度と戻らないため、一分一秒を大切にすべきだという戒め。

「光」は日、「陰」は月を指し、昼夜の繰り返し=時間を意味する。
新年を迎え、また一年が足早に過ぎていくことを予感させる際にも使われる。

一月往ぬる二月逃げる三月去る(いちがついぬるにがつにげるさんがつさる)

正月からの三ヶ月間は、行事が多く慌ただしく過ぎ去ってしまうことを調子よく表現した言葉。
一月は「行く(往ぬ)」、二月は「逃げる」、三月は「去る」と、それぞれの月を動詞に掛けている。

正月の賑わいから節分、年度末へと続く日本特有の季節感と、時間の早さを実感させる慣用句。
特に関西地方を中心に、生活実感のこもった言葉として広く親しまれている。

門松は冥土の旅の一里塚(かどまつはめいどのたびのいちりづか)

正月を祝う門松は、めでたいものではあるが、同時に死(冥土)へ一歩近づいたことを示す目印でもある。
年を重ねる喜びとともに、命の限りを意識させる深い言葉。

室町時代の僧・一休宗純が詠んだ歌「門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」が由来。
浮かれすぎる心を戒め、一日一日を大切に生きるという哲学的な視点を与えてくれる。

七転び八起き(ななころびやおき)

何度失敗しても、そのたびに立ち上がって奮闘すること。
人生には浮き沈みがあるが、決して諦めない精神の重要性を説く。

ダルマ(達磨大師)の置物が象徴するように、不屈の精神を表す。
新しい挑戦を始める新年に、自分自身を鼓舞するために掲げられることが多い。

使い方・例文

「新年・正月」に関連する言葉は、新年の挨拶、抱負、あるいは日々の心構えとして使われる。

  • 一年の計は元旦にありと言うから、今日はしっかり今年の目標を書き出そう」
  • 去年の失敗を糧にして、今年は「心機一転」して仕事に取り組みたい。
  • 正月休みも終わり、「光陰矢の如し」でもう普段の生活が戻ってきた。
  • 家族全員が健康で「鶴は千年、亀は万年」のような一年になりますように。

類義語・関連語

「新年・正月」の文脈でよく使われる、その他の関連語句。

  • 不撓不屈(ふとうふくつ):
    強い意志を持ち、どんな困難に直面してもくじけないこと。
  • 百折不撓(ひゃくせつふとう):
    何度挫折しても、信念を曲げないこと。
  • 日進月歩(にっしんげっぽ):
    日に日に、絶えず急速に進歩すること。
  • 雲外蒼天(うんがいそうてん):
    試練を乗り越えれば、その先には晴れやかな青空が待っているということ。

英語表現

「新年・正月」にまつわる日本の概念を英語で表現する場合。

New Year’s Resolution

  • 意味:「新年の抱負」
  • 解説:正月に立てる目標や決意を指す一般的な表現。
  • 例文:
    My New Year’s Resolution is to go to the gym twice a week.
    (私の新年の抱負は、週に2回ジムに通うことです。)

Out with the old, in with the new.

  • 意味:「古いものを出し、新しいものを入れる」
  • 解説:心機一転して新しい年を迎えるニュアンス。
  • 例文:
    Let’s celebrate! Out with the old, in with the new!
    (お祝いしよう!古い年は送り、新しい年を迎えよう!)

「一富士二鷹三茄子」の続き:四五六

初夢に見ると縁起が良いとされるも「一富士二鷹三茄子」には、実は続きがある。
一般的には三番目までだが、江戸時代の文献などには四以降も記されている。

「四扇(しおうぎ)、五多波姑(ごたばこ)、六座頭(ろくざとう)」と続く説が最も有力。
これらもすべて「富士と扇(末広がり)」「鷹と煙草の煙(上昇)」「茄子と座頭(毛がない=怪我ない)」といった掛け言葉になっており、徹底して縁起の良さを追求している。
こうした遊び心のある言葉を知ると、当時の人々がどれほど強い願いを込めて新年を迎えていたかが伝わってきます。

まとめ

新しい年の幕開けとともに使われる言葉には、希望や喜びだけでなく、時間を惜しむ心や自分を律する厳しさも込められている。
「一年の計は元旦にあり」と気を引き締めることもあれば、「笑う門には福来たる」と明るい笑顔で過ごすことも、どちらも人生を豊かにするために欠かせない視点と言える。

言葉は、私たちの意識を形作る力を持っている。
新年の清々しい空気の中で、自分の心に最も響く言葉を一つ選んでみてはいかがだろうか。
その一言が、これから始まる一年を支える心強いパートナーになることだろう。

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