四字熟語 故事成語

一陽来復

(いちようらいふく)

冬至や陰暦11月のこと。また、冬が終わり春が来ること。転じて、苦境が去り幸運が巡ってくること。


8文字の言葉 / 「い」から始まる言葉
一陽来復 ことば
スポンサーリンク

意味

「一陽来復(いちようらいふく)」とは、冬が終わって春が巡り来るように、苦しい状態が過ぎ去って幸運が訪れるという意味です。
もとは、陰がきわまって陽が初めて生じる冬至や陰暦11月を指す言葉で、新年が来ることにも使います。
単に季節が巡るだけでなく、どん底の状態から運気が好転するという力強い励ましのニュアンスが含まれています。

  • 一陽(いちよう):易学において、冬至の時期に初めて生じる一筋の「陽」の気を指します。
  • 来復(らいふく):一度去ったものが、再び戻ってくることを意味します。

語源・由来

「一陽来復」の語源は、中国の古い哲学書である『易経えききょう』にあります。
古代中国では、万物の変化を「陰」と「陽」の二つの気で捉えていました。

一年の中で最も昼が短く、陰の気が極まる冬至の時期を、易の形(卦)では「地雷復」(じらいふく)と呼びます。
この卦は、全てが陰であったところに、一番底から一つの陽が戻ってくる形をしており、これを「一陽が生じる」と表現しました。

このことから、冬至を境に太陽の力が再び強まっていくように、「どん底の状態から再び上昇へと転じる」という意味で使われるようになりました。
古くは冬至の日を「一陽来復」「一陽嘉節かせつ」と呼び、中国ではこの日に仕事を休んで、赤豆の粥を作ったり酒宴を設けたりして万物のよみがえりを祝いました。

使い方・例文

「一陽来復」は、長い間の苦労が報われる際や、景気や健康状態が回復に向かう場面で使われます。
「これから良くなっていく」というポジティブな展望を示すため、新年の挨拶や、再起を期する場面でのスローガンとしても親しまれています。

  • 受験勉強の苦労が実り、第一志望の合格という一陽来復の春を迎えた。
  • 業績不振の我が社も、新企画の成功でようやく一陽来復の兆しが見えてきた。
  • 「今は辛い時期だけど、一陽来復を信じて前を向こう」と病床の友人を励ました。
  • 家族の相次ぐトラブルに悩んだが、ようやく一陽来復の平穏な日々が戻った。
スポンサーリンク

類義語・関連語

「一陽来復」と似た意味を持つ言葉には、好転や再起を表すものが多く存在します。

  • 苦尽甘来(くじんかんらい):
    苦しい時期が終わり、楽しい時期がやってくること。
  • 禍を転じて福と為す(わざわいをてんじてふくとなす):
    身に降りかかった災難を、うまく活用して幸せに結びつけること。
  • 待てば海路の日和あり(まてばかいろのひよりあり):
    今は状況が悪くても、じっと待っていれば必ず幸運な機会が訪れるという教訓。

対義語

「一陽来復」とは対照的に、物事の衰退やさらなる悪化を指す言葉は以下の通りです。

  • 盛者必衰(じょうしゃひっすい):
    勢いのある者も、必ずいつかは衰え、滅びてしまうということ。
  • 泣きっ面に蜂(なきっつらにはち):
    不幸な状況にある時に、さらに別の災難が重なること。
  • 暗雲低迷(あんうんていめい):
    悪い状態が続き、好転の兆しが全く見えない様子。

英語表現

「一陽来復」を英語で表現する場合、光や希望の到来に例えたフレーズが用いられます。

After a storm comes a calm

直訳は「嵐の後は凪(なぎ)が来る」で、厳しい状況の後には必ず穏やかで良い状態が訪れるという、「一陽来復」に近いことわざ。

Hang in there! After a storm comes a calm.
(頑張れ!一陽来復、きっと良くなるよ。)

Every cloud has a silver lining

直訳は「どんな雲にも銀の裏地がある」で、厚い雲(困難)の向こうには常に太陽が輝いていることから、どんなに悪い状況でも必ず希望の兆しがあることを意味する。

穴八幡宮の「一陽来復」御守、冬至から節分まで授与

東京・早稲田の穴八幡宮あなはちまんぐうは、毎年冬至から節分まで「一陽来復」の御守を授与しています。
江戸時代中期から冬至の福神祭ふくじんさいで授けてきたもので、「金銀融通の御守」とも呼ばれます。

神社によると、御守のもとは、神社に伝わる打出小槌うちでのこづちです。
この小槌は、冬至の日に龍神から聖武天皇に授けられた宝器と伝えられています。
御守をまつる日も冬至・大晦日・節分のいずれかで、その日が終わる夜中の12時ちょうどにまつると決められています。

冬至は、「一陽来復」がもともと指していた日です。
この御守は、授与の始まりも、もとになった小槌の言い伝えも、その冬至の日に結びついています。

スポンサーリンク

コメント

URLをコピーしました