「自由」に関することわざ・慣用句・故事成語・四字熟語一覧

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「自由」に関することわざ・慣用句・故事成語・四字熟語一覧 【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語

毎朝の満員電車や終わらない仕事、複雑な人間関係。
「あぁ、どこか遠くへ行きたい」とため息をついたとき、私たちが心から渇望するのは「自由」ではないでしょうか。

誰にも束縛されず、自分の思い通りに生きたいと願う心は人間の根源的な欲求です。
しかし、古くからある言葉を紐解くと、「自由」には「精神的な解放」という輝かしい側面と、一歩間違えれば「わがまま」や「秩序の崩壊」につながる危うい側面の両方があることが分かります。

ここでは、そんな「自由」の多面性を表すことわざ・四字熟語・慣用句を、シチュエーション別に整理して紹介します。

のびのびとした心の解放

何ものにもとらわれず、心が広く澄み渡っている様子や、発想や行動が制限を受けない状態を表すポジティブな言葉です。

天馬空を行く(てんまくうをゆく)

天馬(空を飛ぶ想像上の馬)が大空を駆け回るように、着想や行動が自由奔放で、何ものにもとらわれないさま。才能が溢れ出て、常識の枠に収まらない勢いのある様子を褒める際によく使われます。

天馬(空を飛ぶ想像上の馬)が大空を駆け回るように、着想や行動が自由奔放で、何ものにもとらわれないさま。才能が溢れ出て、常識の枠に収まらない勢いのある様子を褒める際によく使われます。
四字熟語で天馬行空(てんばこうくう)とも言います。

行雲流水(こううんりゅうすい)

空行く雲や流れる水のように、物事に深く執着せず、自然の成り行きに任せて行動すること。
一つの考えに固執しない、淡々とした自由な境地を表す禅語由来の言葉です。

縦横無尽(じゅうおうむじん)

四方八方、どの方向にも限りがないこと。転じて、思う存分にのびのびと振る舞うさま。
「グラウンドを縦横無尽に走り回る」のように、空間を自由に使う様子や、才能を存分に発揮する様子を指します。

自由闊達(じゆうかったつ)

心が広くのびのびとしていて、小さなことにこだわらないこと。
「闊達」は度量が大きく、小事にこだわらないさまを意味します。
意見を自由に出し合える「自由闊達な職場」といった文脈で好まれます。

籠の鳥を放つ(かごのとりをはなつ)

束縛されていたものを解放して、自由にすること。
長い間の不自由な生活や拘束から解き放たれる喜びを表します。

しがらみからの独立・自律

社会の喧騒や他人の干渉から離れ、自分の意志で生きる強さや、穏やかな暮らしを表す言葉です。

悠々自適(ゆうゆうじてき)

世間の煩わしさに縛られず、自分の思うままに心静かに暮らすこと。
「悠々」はゆったりとした様子、「自適」は自分の意のままに楽しむこと。
定年後の理想的な生活として語られることが多い言葉です。

晴耕雨読(せいこううどく)

晴れた日には畑を耕し、雨の日には家で読書をする。
世俗のしがらみを離れ、自然のリズムに合わせて自由に暮らす生活のたとえです。

独立独歩(どくりつどっぽ)

他人に頼らず、自分の信じる道を行くこと。
誰の干渉も受けない代償として、すべての責任を自分で負う覚悟も含まれる言葉です。

一国一城の主(いっこくいちじょうのあるじ)

組織や他人の支配を受けず、独立して構えた自分の城(店や会社など)の主人のこと。
規模は小さくても、自分の裁量で自由に物事を決められる立場を指します。

度を超えた自由(勝手・放縦)

「自由」を履き違え、周囲への配慮を欠いた振る舞いや、欲求のままに行動する様子を批判する言葉です。

傍若無人(ぼうじゃくぶじん)

あたかも近くに人がいないかのように、勝手気ままに振る舞うこと。
本来は「他人の目が気にならないほど何かに熱中している」という意味でしたが、現在は「他人に迷惑をかけても平気な図々しい態度」を指して使われます。

野放図(のほうず)

しまりがなく、勝手気ままなこと。また、際限がないこと。
「野放し」にされた状態を指し、ルールや礼儀を無視した振る舞いに対して使われます。

跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)

悪人などが、わがもの顔で好き勝手に振る舞い、はびこること。
「跳梁」は跳ね回ること、「跋扈」は魚がカゴを飛び越えること。
秩序がなく、制御不能な状態を批判する際に用いられます。

英語表現

「自由」に関する英語のことわざや慣用句を紹介します。

As free as a bird

  • 意味:「鳥のように自由」
  • 解説:何の束縛もなく、完全に自由な状態。
    日本語の「籠の鳥を放つ」の後に得られる感覚に近い、開放的な表現です。
  • 例文:
    Now that I’m retired, I’m as free as a bird.
    (定年退職したので、私は鳥のように自由だ。)

Give a free hand

  • 意味:「自由裁量を与える」
  • 解説:手綱を放すイメージから、やりたいようにやらせる、全権を委任するという意味で使われます。
  • 例文:
    My boss gave me a free hand with the project.
    (上司はそのプロジェクトを自由にやらせてくれた。)

自由の背景にある物語

明治時代に作られた「自由」という訳語

私たちが普段使っている「自由」という言葉は、明治時代に英語の「Liberty」や「Freedom」の翻訳語として福沢諭吉らが採用し、定着させました。
もともと仏教用語として存在し、「自らに由(よ)る(=他(神や仏)に依存せず、自分の主体性を根拠とすること)」という意味を持っていましたが、当時は「わがまま」「気まま」といったネガティブなニュアンスを含んでいました。
福沢諭吉は当初、この「わがまま」と混同されることを懸念し、「御免(ごめん)」という訳語も検討したと言われています。
現代の私たちが享受する「自由」は、先人たちが言葉の意味を再定義し、戦い取ってきた概念の上に成り立っているのです。

まとめ

自由に関連する言葉には、「天馬空を行く」のような憧れを抱かせる表現がある一方で、「傍若無人」のように身勝手さを諌める表現も数多く存在します。

真の自由とは、単に制約がない状態(フリーダム)を指すのではなく、「自由闊達」な精神を持ちながら、自らの意思で人生を選択する「独立独歩」の姿勢にあるのかもしれません。
これらの言葉は、私たちが自由をどう扱い、どう生きるべきかの指針となってくれることでしょう。

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