「五計」とは?南宋の朱新仲が説いた人生五つの計画

「五計」とは?南宋の朱新仲が説いた人生五つの計画 特集
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「人生の先行きが不安だ」と感じることは、誰にでもあるものです。
私たちがこの世に生を受け、健やかに暮らし、やがて静かに人生を締めくくるまでの、すべてのステージで持っておくべき五つの指針を説くのが、「五計」(ごけい)という言葉です。

意味

「五計」とは、中国・南宋の朱新仲しゅしんちゅうが説いた、人生において立てるべき五つの計画「生計(せいけい)」「身計(しんけい)」「家計(かけい)」「老計(ろうけい)」「死計(しけい)」を指します。
これらは、一生の各時期に立てる計画を順に並べた総合的なライフプランです。

単なる金銭的な計画だけでなく、心のあり方や老後の過ごし方、さらには自分の人生をどう締めくくるかまでを網羅しており、後悔のない人生を送るための知恵を説いています。

五計の内容(五つの計画)

  • 生計(せいけい):
    十歳ごろまで、子どもとして父母のもとで寒さ暑さや衣食の世話を受け、一人前に育つまでの計画。
  • 身計(しんけい):
    二十歳ごろ、心身ともに強くなって名声や利益を求めて世に出て、大きな志を立てて身を立てる計画。
  • 家計(かけい):
    三十歳から四十歳ごろ、地位を高め、財産を増やし、家を大きくして子孫を栄えさせることに心を注ぐ計画。
  • 老計(ろうけい):
    五十歳ごろ、心も力も衰えてくるので、成り行きに任せて欲を収め、身を退いて穏やかに過ごす計画。
  • 死計(しけい):
    六十歳から先、死が近いことを受け止めて自分の心の内を見つめ、少しの心残りも無いようにする計画。

語源・由来

「五計」は、南宋の洪邁こうまいが『容斎五筆ようさいごひつ』巻三の「人生五計」に、官吏の朱新仲しゅしんちゅうがいつも語っていた言葉として書き留めた教えです。
宋学を大成した朱子(朱熹)とは別の人物です。

現代で言う「キャリア形成(身計)」や「資産管理(家計)」だけでなく、「老い(老計)」や「死(死計)」までも計画に含めている点が、この教えの特徴です。

日本では、昭和の陽明学者・安岡正篤やすおかまさひろが著書『人生の五計』などで取り上げ、現代の生き方に引きつけて説いています。

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使い方・例文

「五計」は、人生の節目(成人、結婚、定年など)において、自分の生き方を再点検する場面で使われます。

現代のライフプランニングや終活(しゅうかつ)の重要性を説く際に、その先駆的な知恵として引用されることも多い言葉です。

例文

  • 30代を迎え、「身計」で立てた志に目処がついたので、これからは地位や家庭を固める「家計」に力を注ぎたい。
  • 彼は「五計」の教えを忠実に守り、若いうちから老後の趣味を育むなど「老計」にも抜かりがない。
  • 定年退職を機に、自らの人生を振り返りながら、理想的な最期を考える「死計」に着手した。
  • 「五計」の精神に立ち返れば、ただ忙しく働くだけでなく、人生の全体像を俯瞰して準備することの大切さがわかる。

類義語・関連語

「五計」と共通する、長期的な視点や人生の備えを説く言葉です。

  • 四計(しけい):
    一日の計・一年の計・一生の計・一家の計のこと。
    五計と重なる部分も多い。
  • 終活(しゅうかつ):
    人生の終わりをより良いものにするための準備。
    五計の「老計」「死計」に相当する現代の概念。
  • 修身斉家(しゅうしんせいか):
    自分を整え、家庭を整えること。
    五計の「身計」「家計」と密接に関わる。

対義語

「五計」のような計画性を持たず、刹那的に生きる様子を指す言葉です。

  • 行き当たりばったり:
    将来の展望を持たず、その場その場の成り行きに任せること。
  • その日暮らし:
    明日の計画を立てず、今日一日をしのぐことだけに汲々とする様子。
  • 無計画:
    見通しを立てずに物事を行うこと。
    五計の対極にある状態。

五計は人生の計画の最後に「死計」を置く

「五計」は、生計・身計・家計・老計に続けて、最後に「死計」を置いています。
『容斎五筆』の原文は、人の寿命をひとまず70年として、10歳を生計、20歳を身計、30〜40歳を家計、50歳を老計、60歳から先を死計に当てています。

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