馬革に屍を包む

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慣用句 故事成語
馬革に屍を包む
(ばかくにしかばねをつつむ)

12文字の言葉は・ば・ぱ」から始まる言葉

人が生きていく中で、絶対に譲れない信念や、全てを懸けてでも成し遂げたい使命に直面することがあります。退路を断ち、いかなる犠牲を払ってでも最後まで戦い抜く。
そんな壮絶な覚悟を表したのが、「馬革に屍を包む」(ばかくにしかばねをつつむ)という言葉です。

意味

「馬革に屍を包む」とは、戦場で討ち死にし、その遺体が馬の皮に包まれて送り返されることを指します。
転じて、自らの使命や志のために命を捧げる決意、あるいは戦場で死ぬことこそ本望であるという武人の気概を表す言葉です。
現代では、並々ならぬ覚悟で困難な物事に臨む際の比喩としても用いられます。

  • 馬革(ばかく):馬の皮。
  • (しかばね):死体、遺体。

語源・由来

「馬革に屍を包む」の由来は、中国の歴史書『後漢書』に記された、後漢時代の名将である馬援のエピソードです。

馬援が遠征から帰還した際、周囲の者たちが彼の功績を称えました。
しかし彼は、真の男児たる者、辺境の戦場で死に、馬の皮で遺体を包まれて葬られるのが本望であると語りました。
畳の上で家族に見守られながら安らかに死ぬことなどできようか、という彼の言葉通り、馬援は60歳を過ぎても最前線に立ち続け、軍中でその生涯を閉じました。

使い方・例文

「馬革に屍を包む」は、重大な局面に際して、失敗を恐れず死に物狂いで取り組む決意を示す場面で使われます。

  • チームの勝利のため、馬革に屍を包む覚悟で試合に臨む。
  • この一大プロジェクトに、馬革に屍を包む思いで取り組む。
  • 馬革に屍を包む決意で、単身海外へ渡った。

類義語・関連語

「馬革に屍を包む」と似た意味や背景を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 背水の陣(はいすいのじん):
    一歩も退けない状況に身を置き、決死の覚悟で物事に当たること。
  • 粉骨砕身(ふんこつさいしん):
    骨を粉にし身を砕くほど、力の限り努力し苦労すること。
  • 老当益壮(ろうとうえきそう):
    歳をとるほど、ますます意気盛んでなければならないという意味。馬援の言葉として知られています。

対義語

「馬革に屍を包む」とは対照的な意味を持つ言葉は、以下のようになります。

  • 明哲保身(めいてつほしん):
    賢明に物事の道理を見極め、危険を避けて自分の身の安全を図ること。
  • 安閑恬静(あんかんてんせい):
    安らかで静かに、のんびりと過ごすこと。

英語表現

「馬革に屍を包む」を英語で表現する場合、以下のようなフレーズが使われます。

die with one’s boots on

意味:任務の最中に死ぬ、現役のまま死ぬ
引退して安楽な生活を送るのではなく、最期まで活動し続けるというニュアンスを持ちます。

  • 例文:
    He wants to die with his boots on.
    彼は現役のまま死ぬことを望んでいる。

まとめ

強い信念を持ち、いかなる困難にも真正面から立ち向かう姿勢は、時代を超えて人々の心を打ちます。
一つの目標に全てを懸けるほどの熱意は、誰もが簡単に持てるものではありません。
それでも、先人たちの壮絶な気概に触れたとき、自分の中に眠っていた力が静かに目を覚ますことがある。
そんな瞬間のために、これらの言葉は今も語り継がれているのかもしれません。

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