意味
「助け船を出す(たすけぶねをだす)」は、困っている人や不利な立場にある人を助けることを意味する慣用句です。
特に、会話や議論の途中で言葉に詰まったり、言いよどんだりしている人に対し、脇から言葉を添えて窮地を救う行為を指して多く用いられます。
語源・由来
川や海などで遭難した人を見つけ、岸から舟を出して救助する物理的な行為が由来です。
水難における直接的な人命救助の光景が、やがて比喩として定着しました。
そこから転じて、日常の会話や仕事の場面において、行き詰まって身動きが取れなくなっている人物に対し、横から介入して事態の打開を図る行為全般を指すようになりました。
使い方・例文
「助け船を出す」は、窮地に陥った他者を横から支援するという場面で使われます。
- プレゼンテーションで言葉に詰まった同期に助け船を出す。
- 厳しい追及を受けている後輩に助け船を出す。
- 孤立無援の彼に助け船を出す。
類義語・関連語
「助け船を出す」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 手を差し伸べる(てをさしのべる):
困っている人を助けるために援助の姿勢を示すこと。 - 肩を入れる(かたをいれる):
特定の人に味方して力を貸すこと。 - 一臂の力を貸す(いっぴのちからをかす):
自分の持っている力の範囲で少しばかり援助すること。 - 援護射撃(えんごしゃげき):
味方を有利にするために、側面から言葉などで助けを与えること。
対義語
「助け船を出す」と反対の意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 突き放す(つきはなす):
相手の頼みや接近を冷淡に拒絶すること。 - 見殺しにする(みごろしにする):
助けられる状況にもかかわらず、手出しをせずに放置すること。 - 拱手傍観(きょうしゅぼうかん):
手出しをせず、ただそばで見ていること。
英語表現
lend a helping hand
意味:困っている人に援助の手を差し伸べること。
I decided to lend a helping hand to him.
(私は彼に助け船を出すことにした。)
「助け船」のたとえは室町時代の謡曲にある
困っている人を助ける意味の「助け船」は、室町時代の謡曲『鵜飼』(1430年頃)にすでに出てきます。
「法華のみ法の助け舟」(= 法華経の教えという助け舟)という一節で、法華経の教えを、人を救う船にたとえています。
水難を救う船の意味の「助け船」は、さらに古く、平安時代末の西行の歌集『山家集』に「たすけぶねなき沖にゆらるる」(= 助け船もない沖で波に揺られている)と詠まれています。
「助け船を出す」は、この救助の船を、困っている人に力を貸すことのたとえにした言い回しです。









コメント