意味
「美人局(つつもたせ)」とは、女性が他の男を誘惑し、示し合わせた男が現れてその相手から金銭をゆすり取る色仕掛けの詐欺を指す言葉です。
もとの言葉「つつもたせ」に後から漢字をあてた当て字のため、字面からは読み方を想像しにくくなっています。
- 局(きょく):ここでは、人をだますための策略やたくらみのこと。
語源・由来
「美人局」は、もとは博徒(= ばくち打ち)の隠語「筒持たせ」に由来する言葉とみられます。
この読みにあてた「美人局」という漢字は、中国の書物『武林旧事』に見える語から取ったものだといいます。
『武林旧事』は、南宋が滅んだ直後の元代の初め、周密という人物が、かつて南宋の都だった臨安(今の杭州)のにぎわいを書き記した書物です。
巻六の「游手」(=素性の怪しい遊び人を扱った項目)には、都で横行していた詐欺の名として、次のように出てきます。
有所謂美人局,櫃坊賭局,水功德局,不一而足。
(いわゆる美人局・櫃坊賭局・水功徳局などがあり、その手口は一つではない。)
「美人局」は、都にはびこるいかさまの名の一つとして、ほかの手口と並べて挙げられています。
この「美人局」は、遊女を自分の妻や妾と偽って、若者をだます手口を指しました。
使い方・例文
「美人局」は、ゆすりの行為そのものだけでなく、それを行う者を指しても使われます。
- 彼はまんまと美人局に引っかかり、大金を脅し取られた。
- ニュースは、繁華街で起きた美人局事件を報じていた。
- 夜道で見知らぬ女性に声をかけられ、美人局ではないかと身構えた。
英語表現
英語にも、同じ仕組みの詐欺を指す言い回しがあります。
the badger game
色仕掛けで人をわなにかけ、それを種に金品を脅し取る恐喝の手口を指す表現。
He fell for the badger game and was blackmailed for a large sum.
(彼は美人局に引っかかり、多額の金を脅し取られた。)
美人局は、にせ物をつかませる詐欺も指した
「つつもたせ」は、今のような色仕掛けのゆすりだけを指す言葉ではありませんでした。
戦国時代の文書には、にせ物をつかませて人をだますこと、いんちきをすることを指して使われた例があります。
男女が組んで男をゆする手口は、姦通が重罪とされた時代の決まりにつけこみ、慰謝料ではなく示談金として金を払わせるものでした。
今の美人局は、恐喝の罪に近いものが多くなっています。

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